1-105 石川県某所の火葬場

石川県某所(場所は非公開でお願いします)で発見した火葬場の廃墟です。
これまで様々なジャンルの廃墟を紹介してきましたが、火葬場の廃墟は非常に珍しいです。
ここでは、新しい斎場が建てられたのですが、旧い斎場がそのまま残されています。
なぜ解体されないかは不明ですが、そのまま放置され、廃墟化していましたのでここで紹介します。

2003年夏、北陸廃物紀行のダイゾウ氏との合同で探索した物件です。北陸廃物紀行でも写真を公開していますのでこちらもあわせてご覧ください。

作者:ううむ、これは探索した直後はかなり衝撃的な物件だったな。
助手:そりゃそうでしょう。火葬場の廃墟なんて、そうそう見つかりませんよ。
作者:オカルトファンや刺激の強い肝試しを求めている奴等にはうってつけの物件だな(苦笑)。
助手:夜になると、肝試しで賑わうんでしょうかねぇ。
作者:・・・と思ったけど、実際に訪問してみたら、非常に保存状態が良かった。これはどういうことか?
助手:まだ知名度が低いか、流石にホンモノの火葬場はインパクトが強すぎて近寄れないか・・・。
作者:すでに探索してから5年の年月が経ってしまったけど、ここで写真を公開したいと思います。現在も残っているのでしょうか?

1.周囲の風景と外観

石川県某所に廃墟化した火葬場があるという情報(提供元ダイゾウ氏)を得て
さっそく合同探索を決行しました。木々に囲まれた建物が問題の物件です。

周囲は盛り土に囲まれ、木が植えられており人が通る通路が見当たりません。

どうやらここが正面玄関のようですが、周囲は草や木で覆われています。

作者:これ、変っていうか不便だろ。建物に入るには盛り土を乗り越えなければならないんだぞ。
助手:建物を隠したかったのでしょうか?その割には高さが中途半端で、建物が見えてしまっていますね。
作者:新しい斎場が出来たから盛り土を施したのか、元々盛り土があったのかは今となってはわからないな。
助手:いずれにしろ管理者にとっては旧館に近づいてほしくないわけですから、盛り土があってもおかしくないですね。

2.付帯設備

火葬場本体に隣接して、平屋の民家のような建物が建っていました。

管理人の住居かと思われましたが、火葬場本体の規模が小さいので、
ここはおそらく遺族が待機する場所として用意されていた建物と思われます。

この建物も封鎖されていて人が常駐している痕跡はありませんでした。
窓や戸は全て施錠されており内部の潜入は無理です。
窓はほとんど内側から塞がれ、部屋の中を窺うことも出来ませんでした。

助手:火葬場本体には遺族の待合所が無いってことですね。
作者:俺のじいちゃんが亡くなった時の記憶では、遺体に最後のお別れ(お祈り)をして、遺体を釜に入れる。終わるまでの時間は別室が用意されていてそこで待機するって流れだったな。この建物の部屋が待合室になっていたのだろうね。

3.建物の内部(前半分)

なんと内部の潜入に成功。場が一気に緊張します。
台車に乗っているのは造花みたいです。
いつまでも枯れることなくここで眠ります・・・。

祭壇がありました。ここで遺体に最後のお祈りを捧げます。
祭壇に供えてあった生花は造花とは違って完全に枯れていました。
廃墟化したとはいえ、火葬場独特の重〜い空気が漂っています。

建物は全体的に洋風で、立派なシャンデリアがそのまま残っていました。

粗末な折り畳み椅子。壁の釘に無造作に掛けられた数珠。従業員が使っていたらしい軍手。
わずかに残された品物がいかにも火葬場らしいものばかりです。

4.建物の内部(後半分)

祭壇のある部屋から壁を隔てて奥には遺体を火葬する釜が並んでいました。
重い空気がさらに重苦しくなった気がします。今回の探索のピークです。
さすがに釜を開ける気にはなれませんでした。

ここから先は作業員だけが入室を許されていた場所です。
壁にあるレトロな蝋燭型ランプが印象的ですね。

釜の裏側です。機械が並んでいます。

釜の製作元のプレートです。宮本工業所は現在でも斎場炉のほかに、
各種工業用炉を製作しています。製作年の刻印がされていないままでした。

作者:ふう、この重い空気は写真からでも感じられるだろ?
助手:そうですね。シャンデリアやランプなどレトロな照明が目を引く他には、さすがに無機質な内装ですねぇ。
作者:そう。真っ白な壁とベージュのタイル、照明以外に館内の装飾品は皆無だ。
助手:まあ内部が荒らされてなくてよかったですね。
作者:うん。やっぱり火葬場というジャンルだから、荒らすという行為は抵抗感があるだろう。今はどうなっているかは知らないけれど、もし残っているのならば、このまま荒らされずに静かに眠っていてほしいね。

注意!
この建物について、場所の詳細や潜入方法などについては一切お答えできません。

おわり


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