1-111 長野県小谷村の温泉旅館

場所は、長野県北西部(新潟県南西部)のとある温泉地。
ちょうど長野県と新潟県の県境に位置する温泉です。長野県では初の物件となります。

建物にはホテルと銘打たれていますが典型的な温泉旅館です。
ウェブ上では宿泊案内が残されている所もあり現役かと疑われましたが
現地調査によりすでに廃業していることが判明。

2004年春、久しぶりに助手の撮影小旅行に同行する作者。とある小さな無人駅で・・・

作者:あーあ、退屈だなぁ。
助手:やっぱり先輩にはつまらなかったようですね。汽車の時間までまだありますから、それまで辛抱してください。
作者:それにしても汽車の本数が少なすぎるだろ(苦笑)。もう少し南下すれば本数が増えるのに。
助手:日本海側まで抜ける乗客があまりいないんですね。でも単行運転だから観光シーズンには混雑しますよ。
作者:駅前も見所が無いし・・・おや?向こうに見えるのは?温泉地みたいだな。
助手:ああ、この辺は○○温泉があるみたいです。でも、なんか寂れた雰囲気ですねぇ。
作者:(ピーン!)よし、あそこへ行ってくる!なにかあるかも!

1.周囲の風景

源泉から湧き出る温泉が水槽から溢れて小さな湯壷に流れ落ちていました。
左端の看板は温泉の成分などが記されたもので、一応管理されているみたいです。
湯は適温で、ここで手や顔を洗うことも出来ます。

すでに機能していない自動販売機。よくある荒らしの被害は無かったものの、
Hi-Cメローイエローなど、すでに販売されていない銘柄の商品が、
この温泉地の寂れ具合を物語っているみたいです。

@作者の単独行動開始!

作者:うわー、営業している旅館は2,3件だけか・・・。泊り客らしい人たちは皆無だぞ。大丈夫か、この温泉・・・
作者:駅から見えた一番目立つ旅館は、一番奥に位置しているな。ううむ、ここも泊り客がいない・・・いや、様子がおかしい!
作者:キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! こ、これは!廃墟化しているぞ!!

2.建物の外観

この温泉地で一番大規模な建物。赤い文字の看板が駅からもよく見えます。
なんとすでに営業しておらず、廃墟と化そうとしていました。

一番大きいとは言っても、中規模の建物。
看板裏の非常階段はとても急で、おそらく法令違反だと思われます。

温泉旅館に良くある車寄せのような広場が見つかりません。
正面玄関も非常にわかりづらく、利用者本位とは思えません。

トリッキーな構造をしています。おそらく増築を重ねた結果こうなったのでしょう。
温泉地のホテルにはありがちな光景ですね。

最上階は客室と思われる窓が並んでいます。
外から見るかぎりでは保存状態は良さそうです。

隣の空き地から北側の全体を撮影しました。
建て増しされた痕跡があちこちに見られます。

奥の建物が客室棟のようです。手前の建物はまるで民家のように見えます。

客室棟のアップ画像。ここも保存状態が良いように見えましたが、
毎年の降雪による雪害が激しいようで、自然崩壊が進んでいるようです。
作者が探索したのが2004年春。この3年後にここを訪れた観光客が
この物件の損傷具合をレポートしていました(写真はこちら)。
比較してみると、右と中央の客室部分が完全に崩壊しています。

建て増しされた建物は粗末なものが多く、おそらく倉庫や従業員用の部屋として
使われていたようです。開け放たれた窓に近づいてみると・・・?

巨大な蜂の巣が・・・。幸いにも中は空っぽのようでしたが、
この物件が廃墟化しているひとつの証とも受け取れますね。

作者:ふう、危ない危ない。なんとか他の経路から中へ入れないかな・・・

3.内部(途中で断念)

正面近くから建物に近づいてみました。
正面の窓は客室と思われますが、日当たりは非常に悪く、
せっかくの川沿いに建つ風光明媚な長所が生かされていません。

奥に見える障子がかなり痛んでいるようです。
ドキュンたちの仕業と思われるような破壊の痕跡が無いことだけが救いです。

別の建物から内部に潜入。食堂で使われていたらしい椅子が積まれていました。

ポットや大型冷蔵庫など、厨房周りの設備が目立ちます。
メインと思われる建物からはかなり遠いのですが・・・

雑然としています。
懐中電灯など、装備が全く無かったため、この先の探索は断念しました。

4.付帯設備?

ホテル本館?の建物から少し南に離れた場所に建つ廃墟らしい建物。
出入り口がわかりにくく、草に覆われているため近づくのは困難。
物理的にはギリギリ潜入できそうでしたが、今回は断念。

同じような部屋が並んでいるらしく、従業員の寮として使われていた感じです。
先ほどの参照先によると、この建物は完全に崩壊しているものと思われます。

5.おまけ(廃車)

駅近くに放置されていた廃車を紹介。

廃車では珍しいワゴンタイプの大型タクシーです。
奥には先ほど探索した温泉旅館が見えます。

車種や年式については、車に詳しい方にお任せします(苦笑)。

@駅に戻って

作者:何だよ(笑)。これから乗る汽車も(写真に)撮るのかよ!?
助手:まあ、今回はこれが目的ですから(苦笑)。先輩こそ、お目当てのモノが見つかりましたか?
作者:まあな。ちょっと前準備が必要だから、今回は深入りしなかったけどね。
助手:それが賢明ですよ。この汽車に乗り遅れたら、次も数時間待ちです(笑)。
作者:それじゃ帰りが深夜になってしまうぞ。まあいずれは本格的な探索が必要だろうな。

@編集中にて

助手:あれから4年、けっこう自然崩壊が進んでいるようですね。さすが日本有数の豪雪地帯ですよ。
作者:すぐに行きたいけど、思い立って簡単に行ける場所じゃないし、もどかしいなぁ。

おわり


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