1-16 河口湖の宿泊施設(本題)

小曲園探索は失敗したものの、すでに発見した廃墟がいくつかあったので目標変更。
引き続き旅日記でお楽しみください。Katsuのコメントもあります。

 戻るといっても、バスで走ってきた道を徒歩で戻るのはつらい。比較的近いところでないと時間切れとなる。たしか500メートルほど戻ったところに、鉄筋の古い民宿のような建物があったのでとりあえずは間近で見てみることにした。すると、外には物干しに洗濯物が・・・まだ現役の民宿だったのだ。
 がっくり。さて、次の物件は・・・今いるホテル群を抜けて、河口湖湖畔から離れたところになる。これは遠い。歩道なき国道をもくもくと歩く。いくら高所の湖畔とはいえ、真夏だからかなり暑い。しかも快晴。汗が噴き出す。途中いくつも喫茶店や飲食店を見かけるが、時間が惜しいので我慢する。途中のドライブインには「はとバス」が停まっている。はとバス=東京名所めぐりの図式が当然だった作者には意外。さて、そろそろだと思っていたら、最初に発見した通り、ちょっと本線から外れた何にもないところにひっそりと建っていた。建物前は広い空き地になっている、おそらく駐車場として使われていたのだろう。
ここからがやっと本題です!それでは、ごゆっくりとお楽しみください。

国道よりちょっと離れた位置にある謎の建物。廃墟であることは確実。
蔦がぐんぐん伸びる看板塔。骨組みが残るのみです。

 遠目から見ていたときには養鶏場とか養豚場、または工場かと思っていました。土地を贅沢に使った平屋建て、雑草が茂っていなければうっかり見逃してしまいそうな物件です。この草の茂り具合はまさに廃屋そのものですね。

助手:うわあ、物々しい建物ですね。先輩、よく発見しましたね。
作者:バスでの移動中も油断は禁物だ。つねに目は車窓に向けて、廃墟がないかを監視するのだ。
助手:周囲は何にもなかったんですか?
作者:ほとんどない・・・ぱらぱらと民家やアパートがあるだけだ。
助手:昼間ならいいけど、夜来たらびびりますね、きっと。

正面玄関にはこれまた謎のマークが・・・生活クラブ?
共同村?いったい何をするための建物だったのでしょう。

 養鶏場か?製造工場か?予想は見事にはずれ。正面玄関には「生活クラブ河口湖共同村」とあり、どうやら公共の施設として建てられたものだと判明。しかしどんな風に使われていたかは依然不明。オフィスだったかもしれないし、国民宿舎のような宿だったかもしれないし、公民館だったかもしれないし、郷土資料館みたいな観光施設だったかもしれない。いくつか仮説が思い浮かんだけど、それは内部を覗けば解決するだろうと楽観していました。
 とりあえず、建物のまわりを一周してみることにしました。この建物までの道路は辛うじて舗装されてはいたものの、裏側はすでに農道。非舗装の小道がなんとも寂しい。近くには何件か民家はあったけど、余所者の僕を不審がる人はいない。時々トラックが通ってドキッとさせられたけど、全く怪しまれる恐れはない。まさか白昼堂々と廃墟に潜入する奇特な人間なんていないと思ってくれているのでしょうか。であれば探索も楽ですね。

助手:建物そのものが謎ですね。
作者:正面まで近づいてもまだ分からなかったぞ。Katsuはこの写真だけで分かるか?
助手:・・・???・・・何かな・・・???・・・ちょっと広い公民館といったところかな?
作者:まあ、残りの写真を見たら分かるから。

窓ガラスは割れているというか、窓枠に無い。それくらい破壊されていたんです。
広そうな部屋の窓もこの有り様。暗いですけど、部屋いっぱいに材木がありました。
壁の片隅には落書きもありました。でもせっかく描くなら、
もっと広いところで描いたらいいのに・・・そう思いません?

 近づいてみると、想像を超える破壊ぶりに驚きました。これはどうも例によってヤンキー連中の仕業でしょう。自然に朽ちたにしてはどう考えても不自然。窓ガラスは手の届く所ほとんどが割られ、少ないながら落書きも発見。困ったものです。特に窓ガラスにいたっては、ただ割るだけじゃ飽き足らないのか、窓枠に残らないくらい砕かれていて窓は単なる穴と化していました。

助手:いくら廃墟とはいえ、嫌ですね。田舎者のくせに、ストレスたまってるんかな、ヤンキー共・・・
作者:これはいただけないね。大体窓ガラスがこうもすっかり無くなってしまったら、中が朽ちるのが早くなるんだよ。
助手:廃屋の寿命を縮めるんですね。
作者:そう・・・「ここもこんなに壊れたら危険だな、取り壊そう」ってな具合で無くなってしまうのが一番怖いんだ。

建物の裏側はまだガラスの破片が残っている程度にとどまっていました。
割れた窓から、蔦が容赦なく入り込んでくる・・・。
そして窓全体を覆い尽くそうとする。自然の脅威。

 とまあ、不心得者の破壊活動に呆れながらひとまず外観の探索は終了。期待できそうな内部に潜入するため、正面玄関まで戻りました。
正面玄関は、いうまでもなくガラス戸が粉々に割られていて開放感満点でした。あっさり潜入が許されたこの廃屋、次回更新ではいよいよ内部の探索です。外観だけではいまいちよく分からなかったこの建物の正体が(だいたいは)明らかになります。乞う、ご期待!

作者:小曲園失敗をフォローするべく決死の(?)探索を決行したぞ。
助手:先輩、おおげさですよ・・・この入り口じゃあ、誰だって入れるんじゃないですか?
作者:くっ・・・い、いや、確かに簡単に入れてもな・・・内部がどえらいことになっていたらどうする?
助手:僕の予想じゃ、単なる公民館じゃないかと・・・
作者:そんな夢のないことを言うな。とにかく次回更新には分かる!

正面玄関は開放状態。いつでも廃墟探索者を受け入れてくれます。

次回更新につづく

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