1-22 福岡の民家

あまりにもショボい物件だったので、ボツにしようかと思っていたんですが、
ギリギリ、採用(^^;懐古物件好きな人には、いいかも?

2000年11月、快晴。

作者:久しぶりに二人とも休みだな。天気もいいことだし、廃墟探索にでも繰り出すか!
助手:でも、1日しかないですよ。近くにいい物件があるんですか?
作者:確認したわけではないけど、富山県にある。
助手:富山県なら、日帰り探索も可能ですね。
作者:ずっと前に「Ruins廃墟探訪」のぢゅーしーさんが教えてくれたんだけど、富山県小矢部市に廃墟となったボーリング場があるらしい。
助手:ボーリング場・・・廃墟の王道を行くジャンルですね。
作者:ネタ元はなんとお前がハマってる「VOW(宝島社)」だぞ。「VOW Plus!3」の129ページに、小さいながら写真も載っている。お前、この単行本持ってるだろ?
助手:もちろん、持っていますよ。へえ、確かに載っていますね。気がつかなかった。
作者:この特集は、「メル変の町、小矢部」を取材したヤツだな。記事によると、JR石動駅を降りて、「いいことありそう、夢の街・・・」っていう看板が見えたらすぐに現れるらしいな。これは電車で行ったほうが手っ取り早いな。さっそく、行くぞ。
助手:近所で電車に乗っての探索は初めてだなあ。これはちょっとは楽しくなりそう。

電車の中で

作者:この写真を良く見ると、結構味があるぞ。廃業して相当の年月が経っているのか、自然に朽ちている。
助手:窓ガラスなんか跡形もないみたいですね。
作者:店名は何だったんだろう?看板の一部が脱落している・・・「…AB…BOWL」???
助手:「おやべボウル」じゃないですか?おやべなら、OYABEになりますし・・・
作者:なるほど。(英語に弱く、勘も鈍い作者・・・)

石動駅、午前10時ころ

作者:さあ、ここから歩こうか。次の福岡駅に向かって歩けばいいな。
助手:多分そうでしょうね。この駅前の道(国道)に沿って歩いたら見つかりそうです。
作者:天気がいいから、長袖シャツだと暑いくらいだな。風も強いから、不快ではないけど。
・・・30分後・・・
作者:(・・・無言)
助手:(・・・無言)
作者:現物はおろか、看板すら見当たらないな。
助手:二人で見ているから、見落としたってことはないと思うけど・・・
作者:道が違うのかな?でも、小矢部市の市街地って、この周辺くらいしかないもんなぁ。
・・・40分後・・・
助手:小矢部の市街地から、完全に離れましたね。
作者:おかしいなあ。これ以上進むと、福岡の町になるんだけど・・・住宅も密集してきたから、こんなところにボウリング場なんかないはずだが?
助手:まあ、福岡の駅までねばってみましょう。それで見つからなかったらあきらめましょうよ。
作者:そうだな。情報源はこの本しかないし・・・それにしても疲れた・・・
・・・1時間20分後・・・
助手:・・・この交差点を右折すると、福岡駅前です。(さすがに疲労の色を隠せない)
作者:・・・(無念の表情)・・・なぜ・・・見つからなかったんだ・・・
助手:取り壊された可能性が高いですね。
作者:そんなこと、考えたくもないが・・・沿線にキレイに整地された更地があったから、あれがその跡地だったのかな?
助手:さあ、帰りましょ。切符買ってきますよ。
作者:うう、残念、残念・・・
(助手、切符を買いに駅舎へ行く)
作者:おや?駅前のこの家、いい味出してるなあ。

黒く煤けた壁がとってもいい感じ。現役の建物かなと思いましたが、全く人気がありませんでした。
表通りから裏に回ってみました。なんと裏庭つきの贅沢な家です。植木の手入れはされていないようでした。

作者:窓からのぞいた感じでは、もう人は住んでいないみたいだな。でも荒らされてもいない。イイ感じの懐古物件かも・・・

こちらの壁には、なぜか屋根まではしごが伸びていました。登ってみますか?命が惜しくないなら・・・
裏庭に立ち入って建物を近影してみました。朽ち方が素晴らしい。窓ガラスが割れていないのも意外。

作者:それにしても、Katsu遅いな・・・まあいいや、このまま探索を続けようっと。

いい味出してる!(こればっかり)左の渦巻きデザインの手すりなんか、とってもイイ!!(・∀・)
破れた障子なんかが、廃墟ファンの心をくすぐる。中に入りたい衝動をぐっとこらえる(苦笑)
破れたカーテンも、僕がお気に入りの廃墟風景の一つ。窓ガラスは無事ながら、中ではどんどん風化が進む・・・

作者:さすがに駅前という場所からか、侵入を試みる輩はいないみたいだ(笑)。まあヤンキーや心霊ドキュソはこういう民家には興味を示さないから・・・

正面にもどって、入り口を良くのぞき込んでみたら・・・左側にはなぜかゲーム機。
奥にはかすかに飲食店のような空間が・・・うどん屋のようなお店だったのでしょうか。

作者:まあ、ダメでもともと。この戸、開くかな?・・・やっぱり、ダメか。しかし捨てられたような家なのにこんなに保存状態がいいとは・・・中、見せてほしいな。
(しばらくして)
助手:先輩、遅くなってすみません。途中でジュース買ってたもんで。あれ?、満足そうな顔して・・・どうかしたんですか?
作者:まあ、ちょっとな。さあ、帰ろうか。
助手:今回の先輩は、ばかにあきらめがいいですね・・・?

駅前にある家です。外観を眺めるだけなら、絶好の懐古物件です。いかがでしょうか?

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