1-32 金沢江戸村跡地(石川県)

旧金沢江戸村は、伝説の廃墟、白雲楼ホテルがあった湯涌温泉地区にありました。
白雲楼ホテルよりもさらに山を登った高尾山の登山口付近です。

〜編集作業中の会話〜

助手:あの、先輩。
作者:ん?何だ?
助手:江戸村、オープンしていますよ(滝汗)。
作者:はあ!?オマエ、あそこは永久に再開しないなって前も毒づいていただろ!
助手:た、確かに(汗)。「移転作業も遅々として進んでいないみたいだから、いつでも取材に行けるでしょ」って言ってました…。
作者:さあどうしようかな?移転前の江戸村を公開するか…。
助手:・・・。するしかないでしょうね(苦笑)。
作者:っていうか、施設の写真なんかほとんど無いじゃないか(苦笑)。
助手:この地区の廃墟探索となれば、どうしても白雲楼ホテルの探索を優先してしまいますからね・・・。


旧金沢江戸村は、加賀藩の旧家などを復元して展示していた野外型歴史博物館で、金沢市の山間部にある湯涌温泉にありました。
「江戸村」とありますが、日光江戸村とはまったく別の施設で、子供が楽しめるテーマパークみたいな所だと期待して訪れたら、おそらく失望していたでしょう。
歴史マニアには貴重な施設でしたが、あまりに地味な展示物とこれといって注目すべきイベントも無かったために入場者数は低迷、一旦閉鎖となりました。
閉鎖したのは1997年。意外にも白雲楼ホテル(※)より先がけて閉鎖されていました(白雲楼ホテルは1998年に営業停止)。
閉鎖後は金沢市が土地建物を取得して再オープンを目指していましたが、整備は遅々として進まず、跡地は徐々に荒れてきました。後に白雲楼ホテルも廃業となりホテル周辺に肝試し目的の訪問者や地元ヤンキーが屯すようになると、ホテルに侵入した余勢で江戸村跡地にも侵入する不心得者が出てきました。入場門や勝手口は塞がれていましたが、そこを乗り越えて侵入していたようです。
金沢市はホテルの再開発には消極的で、国指定文化財であるにもかかわらず放置され荒らされましたが、江戸村はようやく2003年に麓の湯涌荒屋地区に少しずつ移転作業が進められ、2010年9月25日に金沢湯涌江戸村として再オープンしました。展示方法は旧江戸村とあまり変化が無く、地味な印象がありますが、建物の数は今後も増える予定のようです。建物を借りることも可能で、ギャラリーなど文化や芸術を発信する場として活用することもできます。

参考ページ
金沢湯涌江戸村公式ページ(トップページのみの公開で、残りは製作中のようです)
金沢市観光協会の案内ページ(入場料などの記載があります)
asahi.comの記事(マイタウン石川)

※リンク先協力:北陸廃物紀行「森の宮殿 白雲楼ホテル」

(ここからは、調査中のレポートと、編集時の会話が混在しています。ご了承下さい)


2001年春の探索

最初に旧江戸村を調査したときの写真です。

白雲楼ホテルの正面広場を過ぎて、最初に見えてくる旧江戸村の遺構です。
ここは正門ではなく、通用門だったと推測します。正門はさらに上にあります。

正門に向かう道の途中にも廃屋があります。江戸村の付帯施設だったのでしょうか?

奥に進むと、広場みたいになっています。
不法投棄の粗大ゴミが草に埋もれかけていました。

先ほどの廃屋に隣接して建っていたこれも廃屋でしょうか?
出入り口や1階窓は板で塞がれていて潜入は不可能でした。

助手:えーっと、この時は先輩だけの探索だったのかな?
作者:そうだ。元々は白雲楼ホテル目当てで訪れたときだ。初めてホテルの内部が探索できて、その勢いで調査の手を進めた。
助手:そういえば10年位前に先輩が「白雲楼、探索成功!」と興奮して話していましたね。
作者:しかし江戸村は実質、通用門の写真だけ orz
助手:これはヒドイですね。せめて正門の写真くらいは撮らなかったのですか?
作者:タイミングが悪かった。正門近くは駐車場になっているのだけれど、ずっと作業員が常駐していて長居すら無理だった。
助手:行き止まりですからね。閉鎖した江戸村の駐車場に一般市民が長居していたら確かに不審に思われますね。
作者:で、苦し紛れに近くにあった廃屋を撮ったんだ。
助手:最後の写真の廃屋なんか、もし潜入できていたらそれなりの規模だったでしょうね。
作者:そう。俺もそれを期待していた。誰かが強行突破して、入れるようになるんじゃないかという不謹慎なことを考えていた(苦笑)。

2007年夏の探索

白雲楼ホテル跡地の調査で訪れたときの写真です。特別公開で紹介済みです。

6年でここまで荒廃しました。草が生い茂り、進むことすら困難になりました。
立ち入り禁止の看板や、熊に注意の警告看板が追加されていますね。

廃屋が並んでいた敷地も草が生い茂ってしまい進入不可でした。
6年前に無かった真新しい看板を発見。廃屋がある敷地に矢印が向いています。
矢印の方向は先述のとおり草が茂っていて進めません。この看板の真意は?

矢印の方向には、廃屋が並んでいます。重装備でないと先に進めそうにありません。


助手:ああ、この写真は特別公開で紹介した2007年の写真ですね。
作者:そうだ。旧江戸村の敷地の荒れ具合がわかるね。
助手:この時も正門の調査ができなかったのですね・・・。
作者:ここの移転作業は、平日でも土日でも行われているんじゃないか、と勘ぐるくらいタイミングが悪かった(苦笑)。
助手:そして新設の看板ですね?確かにネットで検索してもまったくヒットしませんね。
作者:2001年当時ではまだ先に進めたからなぁ。あの時もっと突っ込んで調べておけばよかったよ(涙)。
助手:仕方が無いですよ。あの時は白雲楼ホテルで盛り上がっていたんですから。

おわり


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