1-33 湯涌の廃アパート

作者:白雲楼ホテルの熱も冷めたことだし、小ネタ物件でもひとつ紹介するか。
助手:えー、メインのホテル以外にも廃墟があったんですか?
作者:これは嬉しい誤算だったね。ホテルに向かう沿道には廃屋らしい家がたくさん見つかったんだ。
助手:今回はその中の1件なんですね。
作者:まあ、だいたいの家は施錠されてたからな。今回の物件は開放感満点・・・最初は人が住んでるかと思った。
助手:とりあえず、写真を見てみましょ。

白雲楼ホテルに向かう上り坂の途中、ひっそりとした家を発見しました。正面玄関が開いています。

作者:これが素の姿。どうよ?
助手:・・・民家というより、一昔前のアパート風ですね。なるほど、住んでいてもおかしくないなあ。
作者:これが廃屋なら、肝試しドキュンは興味を示さなかったんだな。もう白雲楼まっしぐらで周りが見えない(笑)。
助手:肝試し野郎は夜に来ますからね。ここを通っても気がつかないんじゃないかなあ。

入ってすぐの内部。右側には階段、左側は一階の廊下が見えます。

作者:で、入ってみた。
助手:げげ、何のためらいもなく・・・人がいたらどうするんですか?
作者:昼間だからね。迷い込んだふりしていればいいかと・・・
助手:ここが先輩のすごいところだよな。あとのことを考えていない大胆な・・・
作者:まあ見ろ。「煙草の投げ捨てを禁ずる」って、ここで投げ捨てたら火事になるやん(笑)。

一階のすぐ手前の部屋。布団がたくさん投げ込まれていました。

作者:部屋をのぞいてみると、こんな感じ。
助手:これ、やばいですって。絶対人、住んでますよ。
作者:人気がないから入ったんだって。安心しろ。でも、生活の跡が濃く感じられるな。

一階の突き当たりには共同トイレがそのまま残っていました。掃除さえすればすぐに使えそう。

作者:

別の部屋。中ではもっとも生活感が残っていた(というか住んでいそうな)場所でした。

作者:ここなんかは・・・
助手:だめですよ。住んでますって、絶対。布団、冷蔵庫、テレビ、一式揃ってるじゃないですか(汗)。
作者:今になってみると確かにそうだな。探索中は興奮していてそういう勘は鈍るんだよな(苦笑)。でも普通部屋のドアを開けっ放しにして外出するかい?
助手:何も盗られるものがないからでしょ。冷静に見てくださいよ。ポットとか、布団の周りの空き缶とか・・・ちょっと前には人がいた形跡がまんま残ってるじゃないですか。
作者:他の廃墟サイトの皆さんの中には浮浪者に遭遇した人が多数いるけど、俺の場合は悪運が強いのか、いつもすれ違いなんだな。

作者:もう他の部屋は適当に撮ってきた。
助手:どっちもベッドがそのまま残されていますね。でも住んでいる雰囲気は感じられませんね。
作者:おそらく部屋を出て行くときにベッドだけは大きくて処分に困ったから残していったんだろ。
助手:でもカーテンなんかも残っているから、掃除さえすればすぐに住めそうですね。もったいない。

二階には共同の流し場がありました。この物の残り方は微妙な感じです。
二階の一番手前の部屋です。ここはがらんとしていて、住んでいる気配は感じられませんでした。

作者:二階の感じもさほど変わらなかったね。
助手:洗い場の雰囲気なんて、廃墟ファンにはたまらないんでしょうね。
作者:俺のお気に入りは最後の部屋。おそらく子供も一緒に住んでいたんだろうな。壁のシールやおそらく子供の仕業、低い位置の破れた障子がいい感じを出しているよ。温泉旅館の従業員が住んでいたんだろうな。完全な廃墟かどうかは微妙だけど、白雲楼ホテルと運命をともにした建物、このまま自然に還っていくことを望みます。


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