1-70 石川県加賀市山中温泉の廃墟群

こちらも急速な変貌を遂げる山中温泉ゾーンのネタです。

作者:さあ、最後だ。山中温泉を探索したときに見つけた小物件をまとめて公開するぞ。
助手:ここは、ぜひ訪れてください。道の駅にある保存車両は元北陸鉄道加南線の電車で、当時は「しらさぎ号」と呼ばれ・・・
作者:はいはいはいはい、その解説はまたの機会に…(苦笑)。今回は廃墟の紹介だからな!
助手:・・・。ふむ、この温泉にもこんなに廃墟が存在していたのですね。
作者:個人的な感覚では加賀温泉郷の中では一番頑張っていたところだと思っていたけど、やはり廃業した物件が見つかったな。
助手:数が多すぎるのでしょうかね?競争に負けた旅館が淘汰されてゆく・・・。
作者:最近は整理も進んで、温泉も活気を取り戻しつつあるらしいな。

この温泉地には2002年をはじめ、数回に分けて探索を実施しました。
2002年2回目の探索では、北陸廃物紀行のダイゾウ氏、廃墟伝説の黒魔氏、MUHAのWebサイトのMUHATYU氏、他合同探索希望者との合同探索となりました。廃屋にっぽん周遊では最多人数での探索となりました。
このほか、未探索地区を補完する目的で、ダイゾウ氏と二人で合同探索を実施しています。

山中温泉は、加賀市(かつての江沼郡山中町)の山沿いに位置する温泉で、温泉のほかにも、鶴仙渓、こおろぎ橋、栢野大杉など観光資源にも恵まれています。冬は多くの積雪があり、この雪景色目当てに訪れる観光客も多いですが、雪害により交通網がマヒすることもあります。
この温泉地も、片山津や粟津温泉などと同様、利用客の減少により多くの温泉旅館が廃業に追い込まれました。

1.山中グ○ンドホテル

山中グ○ンドホテルは、名古屋鉄道系列で運営されていた温泉旅館です。同じ名鉄グループの地元鉄道会社である北陸鉄道によって山中温泉方面の路線バスはすべてこのホテル前のバス停を終点として運行され、利便性を確保していました。
しかし、親会社名古屋鉄道の経営見直しにより、収益の低い事業を整理することとなり、このホテルも営業を終了することとなりました。
その後、京都府の民間会社「湯快リゾート」が土地建物を買い取り、同名の温泉旅館として営業を再開しています。

山中グ○ンドホテルの外観です。大きな旅館です。
夜逃げ同様の廃業というパターンが多い温泉旅館の中で、この物件は
経営元が正式に撤退を表明して清算、営業を終了という正規の手段を経たため、
管理がしっかり為されていました。

車寄せ、正面玄関の近影です。この物件は周囲を堅牢な柵で囲われていたため、
これ以上近づくことは出来ません。その分保存状態は廃墟とは思えないほど良好です。

駐車場付近の様子です。無秩序に生えた雑草だけが廃墟らしさを演出します。

屋号が書かれた木製の看板です。文字がかなり消えかかっています。

2.ホテル べ○はな

同じ建物と思われるホテルが「吉祥やまなか」として営業中です(未確認のためリンクは張りません)。

大聖寺川のほとりに位置する大型温泉旅館。屋上のオブジェに注目。

橋の上から撮影。保存状態は良好に見えます。
屋上のオブジェは屋上プールとして使われていたらしいです(未確認)。
復活したと思われるホテルにはこのオブジェが無いので、撤去したのでしょう。

側面から。非常階段はゆったりとした造りで、安全対策は合格か!?

同じ施設ではありませんが、橋の下から見えた廃墟と思われる家(?)を撮影。
どこかの温泉旅館の別館(離れ)であった可能性はあります。

ブレてしまいました・・・ orz

3.ホテル 百○園

去就は不明。管理物件です。

正面入り口です。駐車場も兼ねていたようですが狭いです。
なんと2階宴会場?の窓が開いています。

屋号がある看板です。ちなみに駐車場にある無限庵という名前は
別の施設の名前で廃墟ではありません。

裏側に客室棟があるみたいです。行ってみましょう。

裏側の客室棟です。中庭が駐車場になっていました。
無機質で殺風景な外観です。まるで学校の校舎のような佇まいです。

客室窓の近影。カーテンや障子がしっかり残っていました。

こうしてみると、温泉旅館には見えませんね。

1階には事務所らしい部屋が見えました。

この部屋も従業員向けのようです。残念ながら潜入できませんでした。

4.ホテル 杉○郷

山中温泉は、山に囲まれた立地で、多くの旅館は盆地部分に建てられています。その地形を生かして、建物を山の切り立った崖に沿うようにして建設し、福井県側に抜ける高い位置にある道に正面玄関を設けて、客室などを階下に配置した造りの旅館がありました。本物件はその一つです。
去就は不明。管理物件です。

正面入り口と車寄せです。向かって右が谷側、左が山側です。

潜入口は見つかりませんでした。

こんな感じで、下まで続いています。

5.割烹旅館 まつ○

去就は不明。管理物件です。

正体不明の廃墟です。外観から旅館として使われていたものと判断。
草に覆われており、正面玄関の場所がわからなくなっています。



周囲の敷地は荒れ放題で、マイクロバスの廃車が放置されていました。

うーん、廃な感じですねぇ。

別棟です。こちらも用途不明。
本館、別棟ともに潜入できませんでした。

助手:結構見つかりましたね。でも復活率も高いなぁ。
作者:そうだな。この温泉は小規模の旅館と高級志向の旅館だけが生き残れたようだ。中途半端は良くない見本だね。
助手:最初の物件は知ってますよ。名鉄グループで、堅実な経営だったようです。撤退を決めたのも早かったですね。
作者:実は俺、ココに泊まったことがあるんだ。ゲームコーナーで遊んだ競馬ゲームが、任天堂製だと知ってビックリ(笑)。
助手:で、この物件もみごとリニューアルして復活かぁ・・・。
作者:そうだ。例によって湯快リゾートグループだ。
助手:まあ確かに撤退してすぐの物件だから、中では一番キレイですし、湯快リゾートはうまくやりましたね。
作者:湯快リゾートは、もう1軒山中温泉でオープンさせているな。
助手:あれ?もう一組の写真は公開しないんですか?
作者:それは・・・思い出したくもない・・・ orz
助手:?
作者:今までで唯一の人的トラブルだ。4つめのホテルのように、崖に沿って建っていた物件がもう一つあったんだ。
助手:それで?
作者:上で写真を撮った後、崖下に降りたら潜入できるかもしれないと思って下に回りこんで調査。
助手:この段階ではまだ問題行動はないですね。
作者:1階部分になる場所で写真を撮りながら潜入口を物色していた。俺が写真撮影に夢中になっていると、ダイゾウさんの様子がおかしい。
助手:??
作者:小声で「帰りましょう」と言いながら、目で合図している。後ずさりしながら・・・まだ状況が掴めない俺は、合図されたほうを見たら・・・
助手:???
作者:アパートみたいな建物の2階通路に立った男の人が、何か叫んでいる!プロレスラーのような風貌で、腕には刺青・・・
助手:!!!
作者:ここでようやく事態の急変を悟った俺は、回れ右して、ダイゾウさんと猛ダッシュで撤収・・・ orz
助手:それは大変でしたね。でも身から出た錆ですよ。潜入後じゃなくてよかったですね。
作者:たしかにそうだ。この後、黒魔さん他を招待することになって、この顛末を話した。大事をとって下部分の探索は控えたよ。

おわり


←メニューに戻る