作者:粟津温泉の小ネタ集は別に紹介したけど、この他に本命ともいえる廃墟が存在するんだ。
助手:知っていますよ。あのお化け屋敷のような雰囲気はマズいですねぇ。温泉街の道路沿いにあるから、嫌でも目に入る。
作者:最初の合同探索の時は正面の本館(旧館)の写真しか撮らなかったけど、あとから大きな玄関のある新館のほうも調査したぞ。
助手:実は僕、新館の入り口の存在を知らなかったんですよ。先輩の写真が初めてでした(苦笑)。
作者:温泉街の通りにも玄関があったからなぁ。裏側の道は普通に住宅のある集落にあるから、気づかない人もいるかもしれないな。
今回は、北陸廃物紀行のダイゾウ氏、廃墟伝説の黒魔氏、MUHAのWebサイトのMUHATYU氏、他合同探索希望者との合同探索となりました。廃屋にっぽん周遊では最多人数での探索となりました。
粟津温泉は、数ある加賀温泉郷の中でも最も古い歴史を持つ温泉地です。
特に法師という温泉旅館は、現役の宿泊施設としては、世界最古(もちろん日本でも最古)と言われており、実に1300年もの歴史を誇っています。現在も粟津温泉の看板旅館として営業しています。
本物件は、粟津温泉の中では中堅の温泉旅館で知名度も高く、粟津温泉街の一翼を担っていましたが、突如廃業となりました。あっという間に建物は老朽化して建物周辺も荒れ果て、その不気味な外観は温泉街の景観を損ね、次第に温泉街のお荷物になってきました。新規参入のホテルチェーンが進出してからもこの旅館は買い取られることもなく廃墟として放置されています。
未調査のため現在の状態は不明。
ここも粟津温泉の中では結構メジャーだった温泉旅館でした。 右隣には小山があり、斜面に寄り添うように建っています。 玄関前は狭いですが、今でも駐車場として使われているようです。 |
山が日光を遮り、日中でも薄暗くてひっそりとしたこの建物の周辺は 異様な雰囲気が漂っています。 柱にあった屋号の文字がはがれ落ちています。 |
これがこの廃墟の目玉、立抗です。 低い位置にある旧館と山の上にある新館を結ぶ通路となっています。 |
旧館の裏側です。やはり異様な雰囲気です。 ここにも駐車場があり、唯一活用されている場所といえます。 |
この出入り口は住宅のある集落にあります。
この廃墟の周辺で騒ぎ立てることは近隣住民の迷惑になりますので絶対にやめましょう。
山を越えた反対側に新館のある出入り口があると聞き、ダイゾウ氏と調査することにしました。 正門はちょっと凝った造りです(逆光でごめんなさい)。奥の坂道を進んで行きます。 |
新館が見えました。ここには屋号が残っていました。 |
旧館に比べて、嫌な雰囲気は感じません。 しかし、この立地は周辺住民に丸見えの場所。声を立てないよう、慎重に行動します。 |
侵入者による破壊行為は無い様に見えます。 |
手入れされていない草木が廃墟っぽいですが、建物はまだキレイでした。 |
外から見る限りでは、保存状態は良いように見えますが、 実際に潜入してみると、予想を覆すようなことが多いのが廃墟の醍醐味です。 |
ここが正面玄関のようです。 旧館の玄関よりずっと立派な外観です。 |
もちろん自動ドアは開かず。 内側の自動ドアは開いており、すぐ奥のホールは天井が崩落していました。 やはり外観では予想できないことが多いのが廃墟ですね。 |
それ以外は、荒れた痕跡がありません。 |
ホールはがらんとしていました。 |
助手:へえ。こんな立派な玄関があったんですね。
作者:うん。旧館側には立抗が見えるのだから、反対側に建物がある可能性を考慮すべきだったな。
助手:僕は立抗には気づいていたけど、それ以上の想像はしませんでしたよ(苦笑)。
作者:ふふふ、甘いな。
助手:ところで、二人で行ったのならば、中に入ったんでしょ?その写真は?
作者:『ギクッ』い、いや、は、入れなかったんだ。
助手:先輩は隠し事があるとどもるんですよね〜(ニヤニヤ)。
作者:・・・。実は、何者かが投石をして割られた窓ガラスがあって、そこから潜入できたんだけど、俺がダイゾウさんを止めたんだ。なんか、本能的に嫌な予感がしたから。
助手:なるほど。先輩の野生の勘ですか。先輩には珍しく慎重でしたね。
作者:ダイゾウさんは乗り気だったんだ。いつもの俺ならばそのままためらわずに潜入していたかもしれないけど、止めた。ダイゾウさんには申し訳ないことをしたな。
助手:あとから県外の廃墟サイトの人が潜入に成功したようですね。例の場所から入ったのかはわかりませんけど…。
作者:だからお詫びのしるしに、敷地内に味のある廃車があったから、それを載せるよ。
坂道の途中で発見。朽ち果てて荒らされています。 |
車種や年式については車に詳しい人にお任せします(汗)。 掲示板で報告してね! |
おわり