2-4 金沢のラーメン電車

作者:今回はお前がナビゲーターだな。
助手:えっへん!それではご案内させていただきます。先輩、このラーメン店、知っていましたか?
作者:ふっふっふ、実は知っていたのだ。
助手:やっぱり、外から見ると目立ちますよね〜。
作者:僕がクソガキの頃からすでにあったから、もう20年以上も経つのだな。
助手:もともとは、能登地方にあったローカル線、北陸鉄道能登線(羽咋〜三明)で使っていた車両だったんです。
作者:へえ、能登出身だったのか・・・
助手:昭和47年に廃止となって、ここに来たものと思われます。肝心の鉄道車両を使ったラーメン店は、かなり前から営業を止めていたそうで、実際は非営業のまま放置されていたそうですよ。
作者:そういえば、1回も食べに行かなかったな。
助手:蛇足ながら、この鉄道車両は電車じゃありません。北陸鉄道能登線は非電化鉄道でしたから、実際はガソリンエンジンの気動車です。近所では「チンチン電車のラーメン屋」と呼ばれていたそうですけど、厳密に言えば間違いです。
作者:なるほど、実際は「ラーメン汽車」だったのか・・・

全景です。車両は建物の2階くらいの高さに持ち上げてあります。
建物の中、外のどちらでも出入りできる構造のようでした。
先頭部分に手すりがあるのは現役の時のままだそうです。
言われてみれば、パンタグラフはどこにも見つかりません。
写真左下にスチール製の階段があるのですが、錆がひどくて
腐食がすごく、上り下りはとても危険。侵入の手段はない?
ベニヤ板でふさがれた扉がなんとも情けない。元からあった扉は
どうなったのでしょう?外れたから撤去したのだろうか?

作者:いいね〜。やっぱり来てよかった。
助手:なかなかいけるでしょ?廃墟ファンの人にもきっとうけますよ。
作者:遠方から来る人にはちょっとつらいかもしれないな。目印がないから・・・

現在は物置になっているみたいです。窓から見える椅子が
いい感じ。窓の壊れ具合もなかなかのものです。
右端にはダクトがついた窓を発見。この辺に厨房があったの
でしょうか?板で目隠しされた窓もあってよくわからない。
こちらの扉は現役のまま?しかし出入りができないのなら、
物置としての役目すら終えてしまったのか。いずれは解体される?
下に放置された当時の看板。「珍珍電車」という店名で営業
していたようです。現在もラーメン店そのものは存在します。

助手:こんなもんですね。
作者:医療巡回バスと合わせて2箇所取材できたからよかった。これからも複数取材ができればいいな〜。
助手:また、探しておきますよ。

あとがき
この物件は1998年秋に助手のKatsu君と撮影したものです。現在もこの建物、車両は存在し、外側からの撮影は容易です。しかし、このラーメン店そのものは出前ラーメン店として現在も営業しており、建物全体が廃墟というわけではありません。接近して撮影がしたいとき、この店の敷地に出入りするときは必ず店主の許可を取ってください。僕たちも許可を得て撮影しました。


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