2-5 下関の廃機関車

今回は助手、Katsu君の好意で久しぶりに遠方のネタが入手できました。

作者:ない!ない!旅先のネタがすっかりなくなった・・・。このままでは「にっぽん周遊」の名に恥じる!実際「北陸ローカルのくせににっぽん周遊なんて名乗ってんじゃねーよ!」なるメールがジャンジャン届いているぞ(もちろんウソです)。どうする?Katsu・・・
助手:どうするって言われても・・・やっぱり先輩が廃屋探索を目的とした旅に出ませんと・・・。ネタは集まりませんよ。
作者:行きたい!行きたいのは山々なんだが社会人になって旅に出るチャンスがぐっと減ったんだ(涙)
助手:ネタがあれば提供してもいいけど、もともと僕には廃屋探索の趣味なんてなかったから・・・
作者:うーん、もともと俺の場合も行き当たりばったりの探索だったからなあ。他の廃墟ファンの皆みたいに目的の廃墟を決めてその探索だけに的を絞った旅なんてしたことないんだ。結局何もかもいろんな要素を含んだ旅で、廃墟探索はそのほんの一握りに過ぎなかったんだ。(わあ、言い訳がましいセリフになった)
助手:むむむ・・・それなら、ちょっと鉄道趣味の要素が濃いですけど、こんな物件はいかがでしょ?

以下の解説は、すべてKatsuが代行しています。

山口県下関にある車両基地のすみっこに放置されたEF59型電気機関車。
山陽地区でかつては絶対必要だった重要な機関車でした。

助手:このEF59型電気機関車は広島県の瀬野〜八本松で使用されていたものです。今は現役を引退して、この車両基地で眠っています。
作者:???そんな地名なんか知らんぞ?
助手:鉄道ファンには有名な場所です。ここは山越えの難所で坂に弱い鉄道は自力で山を越えられなかったんです。そこでこの機関車の力を借りてこの区間を越えていたんです。この瀬野〜八本松は列車の写真を撮影する場所としても有名です。通称「セノハチ」と呼んでいます。
作者:出たア、鉄道マニアの専門用語・・・
助手:・・・(冷ややかな眼)

ペイント直しもされないまま解体の日を待つだけになった往年の名車。
走行中の連結、切り離し作業は危険なため、警戒色(黄と黒)が塗られています。
これはEF59型機関車だけの特別な配慮だったのです。

作者:でも、俺も夜行列車で(おそらく)ここを超えたことがあるけど、そんな作業なんかなかったと思うんだが?
助手:今は機関車の力が強くなりましたから・・・現在は一部の貨物列車で補助の機関車を使っているだけです。このEF59は完全に引退、残っている車両もこれを含めて2両しかありません。
作者:昔はどうしていたんだ?
助手:この機関車の最大の特徴は、走行中に切り離しができることです。瀬野とか八本松のような保線要員がいない小さな駅で機関車の連結、切り離しはむずかしいですからブルーとレインなんかは走行中に切り離したそうです。トラ柄の模様は目立つように塗られたのです。

ファンなら知っている人も多いEF59型10号機の銘板。

作者:古ぼけていてちょっと変わった車体が面白かったぞ。でもやはり鉄道趣味の世界だな。廃墟ファン必見というほどじゃなかったぞ。
助手:まあ、いきなりこの機関車の生い立ちをしゃべってもピンとこないでしょうね。
作者:さっき引退したと言っていたけど、もう一度走る、ということはないの?
助手:ないです。この10号機はもう走れる状態ではありません。残りの1両は群馬県の横川(ここも鉄道マニアの聖地らしいぞ)にできた博物館で展示されているそうです。こっちは車両基地に留置されているだけですが、もうお役目御免の車両だから遠からず解体されます。今年秋くらいが濃厚ですね。
作者:もう余命わずかじゃないか・・・「俺も見たいぞ!」という希望者のいるかも知れんから、場所を公開するか。
助手:JR下関駅からタクシーで「下関車両区まで」言えばいいです。徒歩じゃちょっとつらいですね。正面玄関からよく見えるので問題はないですけど、くれぐれも無断で敷地内に入らないでください。僕は同じ趣味仲間と一緒に入門許可をもらって敷地内で撮影しました。入門許可は簡単にはもらえないので外からの撮影にとどめたほうが無難でしょう。
作者:それにしてもKatsuの鉄道に対する熱意はすごいな。
助手:ふふふ・・・最後に、下関駅の駅弁はやっぱり「ふくずし」と「ふくめし(冬期限定)」で決まり!どちらもふぐの肉が入っていて美味!
作者:はあ・・・

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