立山カルデラへのアクセスは

前述したとおり、立山カルデラは観光地化されていません。常願寺川の砂防工事が進んでおり、砂防工事用の道路が整備されていますが工事関係者専用です。一般の自動車の通行は認められていません。
こういった中で、富山県は興味深いイベントを開催しました。立山カルデラについてもっと知ってもらおうという趣旨で、立山黒部アルペンルート、富山県側の入り口にある富山地方鉄道立山駅前に「立山カルデラ砂防博物館」が完成し、「立山カルデラ体験学習会」が発足したのです。
「立山カルデラ体験学習会」に申し込むと、通常では立ち入りが禁じられている立山カルデラ内の砂防工事現場に入って立山カルデラの名所を見学することができます。廃墟ファンならぜひ見たい「立山温泉跡地」もスケジュールに入っており、魅力的な体験ツアーだと思います。
体験ツアーは、片道にトロッコを利用、片道にバスを利用するコースと往復ともバスを利用するコースと2つ用意されています。トロッコ列車が目的だった助手のKatsu君はトロッコ利用コースを申し込んだのでした。(この森林鉄道トロッコも砂防工事を目的に敷設されたもので観光用ではありません。通常は部外者の乗車はできません)
しかしながら、この「立山カルデラ体験学習会」に参加するのは意外に大変です。まず、第一ステップとして、

「立山カルデラ砂防博物館」を見学すること!

入館券を買ったときにはこの応募要領も忘れずに
もらっておきましょう。中のハガキが必要です。
入館券は郵送での申し込みができません。
現地で購入するしかありません。

この博物館には立山カルデラ、常願寺川の砂防工事に関する資料が多数展示されています。立山温泉の解説もあり、立山黒部アルペンルートを訪問した観光客や登山客などが見物にやってきます。入館料は一般400円で、入館券を買えば見学したものとみなされます。入館券の半券には体験学習会の参加申し込み券が付いており、この券がないと申し込みができません。参加希望者は「応募要領」をもらって中にある応募はがきに参加申し込み券を貼って申し込みます。このため、参加希望者は1度博物館まで出向き、入館券と応募要領を入手して申し込みをして、別の開催日に集合場所まで再び行かなくてはなりません。大変面倒です。申し込み締め切りは開催日の1ヶ月前です。早めの行動が必要でしょう。さらなる難関は、

開催日はあらかじめ決まっている。週末の参加は無理!

今年の参加日はまだ調べてありませんが、平成11年は、7月7日から10月29日まで数十回にわたり実施されました。今年もこのペースで実施されると予想されます。問題は日程で、毎週水曜、金曜日の設定になっています。夏休み中の設定もありますが、社会人の人が参加するにはちょっとつらいかもしれません。実際に作者が参加したときも、小学生くらいの子供を連れた家族連れ、または50代、60代の夫婦が大多数でした。さらに、

応募者多数の場合は抽選!倍率は10倍以上!?

この往復ハガキで直接申し込む。参加できるかどうかは運次第。この往復ハガキ1枚で4人までの
参加申し込みが可能です。もちろん申し込み券は人数分必要です。ドキドキの結果待ちですね。

一番の難関かもしれません。当日手配するバスなどの都合で定員が決まっています。一回の学習会につき40名で、これを超える応募があった場合は抽選となります。夏休み中の日は激戦が予想されます。作者が運良く(?)参加できた日は8月18日水曜日、当日聞いた話では倍率は10倍を超えたそうです。もちろんこれは日程などで変動するので過信は禁物ですが、申し込んだら必ず参加できるというわけではないので注意してください。参加できるか否かはもう自分の運に頼るしかありません。ただし激戦を考慮したのか、不参加になった人に限り不参加通知に再参加申し込み券がついてきます。これを利用すれば再び入館券を買いに富山県まで出向く必要がなくなるわけです。また、年度中に参加できるのは一人1回のみです。今年参加した人は来年以降まで参加権利を失いますので注意しましょう。

荒天のときは中止、延期、予備日の設定はありません!

運良く参加案内をもらっても当日雨天などカルデラ見物ができないと判断された場合は中止になります。さらに厳しいのは予備日が一切ないこと。雨天中止になったらせっかく勝ち取った参加権利も無駄になるわけです。作者は当日天の神様が味方したのか(笑)快晴でした。山の天気は変わりやすく、平地では好天でも雨や霧が発生する場合も充分考えられます。参加者が実施、中止を知るには博物館のテレホンサービスを利用します。

集合場所も難あり。マイカーは不可?

博物館はもとより、立山黒部アルペンルートはコースの特徴からマイカー利用の観光客をあまり考慮してありません。博物館前には観光客用の駐車スペースはほとんどありません。現地でのトラブルを防ぐためにも公共の交通機関を利用したほうが無難でしょう。JRで富山駅についたら、富山地方鉄道の電鉄富山駅で乗り換え。立山方面の終点、立山駅まで行けば後はすぐです。

数々の難関を乗り越えて実現する立山温泉跡地の見物。
参加するぞ!という方、がんばってください。GOOD LUCK!

問い合わせ先はこちらから

立山カルデラ砂防博物館 体験学習の係
〒930-1405 富山県中新川郡立山町芦峅寺字ブナ坂68
電話(テレホンサービスもここです) 0764-81-1360
詳細を知りたいならホームページが便利! http://www.tatecal.or.jp/index.html

主催 (財)立山カルデラ砂防博物館
協力 建設省立山砂防工事事務所・富山県

体験学習会体験記(工事中)

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