1-127 羽咋の廃保育所

長らく発見できずにいた保育園の廃墟。ついに地元石川県で探索を実現しました。
しかし、その経緯はなんとも複雑なものでした・・・。

作者:この物件も最近撮影した物件だけど、解体が確認されたので追悼企画として公開するぞ。
助手:よかったですね、先輩。前々から「保育園や幼稚園の廃墟を探索してみたいなチクショー!」って言ってたじゃないですか。
作者:ああ。でもなあ、この物件にはいろいろと思い入れがあるんだ。ちょっと複雑な気分だ。
助手:ほう。もしよかったらその経緯を聞かせてくれますか?
作者:そうか聞いてくれるか!実はな、この物件は現役のころからずっと気になっていたんだ。
助手:まあ、建物を見る限り、廃墟ファンが好みそうな哀愁が漂っていますよねぇ。
作者:能登へドライブに出かけると、柴垣という海水浴場がある(あった)。有料道路を通らずに国道を走ると必ず通るんだけど、その国道脇になんとも古ぼけた保育所があったんだ。
助手:バス停が近くにありましたね?
作者:そうそう。ドライブはいつも休日に行くから園児たちの姿が無くて、ますます廃墟っぽく見える。その建物を見るたびにここが廃園したら一月もしないうちに廃墟として熟成しそうだなって不謹慎なことを考えていたんだ。
助手:(苦笑)確かに不謹慎ですよ。ここに通っている園児がいるのに…。
作者:そのうち仕事の都合で平日にもたまにここを通る機会が出てきた。最初のうちは園児たちがいた光景を見た気がするんだけど、そのうち平日の昼間なのに園児の姿が消えたんだ。
助手:それで、廃園を確信したと?
作者:そうだ。それで今度は敢えて平日の昼間に休暇をもらってここを訪れようと決めたんだ。それが2008年の春だ。
助手:えぇー、ここの探索のためにわざわざ休暇をとったんですか?
作者:(苦笑)っていうか、このころは土日が仕事で平日に休みをもらっていたんだ。だから簡単に実現したんだ。それでは、どうぞ!

1.園舎の外観

正面の外観です。廃園してあまり間もないせいか、荒らされた形跡はありません。
それでも雑草が伸びてきています。海に近い立地が災いして、柱や手すりなどの
鉄製の構造物がかなり錆びて一部は朽ちかけていました。

遠目から見る限りでは、園内には何も残されていないようです。
窓には巻き取り式の庇がありますが、老朽化してボロボロになっていました。

奥の広場はおそらく保育所の園庭だと思いますが、雑草が茂っていて、
遊具らしきものは何もありませんでした。

正面に見える部屋が保育室のようです。わずか3部屋しかありません。
手前のスペースは狭いながらも園庭のようです。
ここで園児たちが遊んでいる光景は容易に想像できます。

保育室のガラス戸は大きくて、ここから直接手前の園庭に出入りしていたようです。

玄関付近です。ブロック塀の水玉のペイントが哀愁を誘います。
脇にある手すりは錆が進んで手で触っただけでボロボロに折れてしまいそうです。

助手:いい感じに朽ちかけていますね…。
作者:それでも廃園してからまだ一年足らずだと思うぞ。俺の曖昧な記憶だけど。
助手:荒らされていないのがいいですね。典型的な田舎の昭和チックな保育所って感じで。
作者:ほら、海岸が近いから、潮風の影響で塩害があるからなおさら老朽化が進んでしまう。
助手:自然に朽ちるのも時間の問題ですね。
作者:その前に取り壊されたからなぁ(涙)。もう一度だけ、ここを見ておきたかった…。

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