作者：さて、ここも公開しようか。最近はちょっと騒ぎも収まったようだからね。
助手：ああっ、ついに細○旅館を公開ですね！？
作者：結論を急ぐな。この物件が○川旅館だという確証は無い。オカルトマニアの間で有名な廃旅館が、この周辺にあるということだけだ。
助手：この温泉地は僕も知ってますよ。でも石川県内の温泉ではマイナーなほうですよね？
作者：そうだな。大きな温泉リハビリ施設のほうが有名かな。
助手：調べてみたら、共同浴場のほかには温泉旅館が２件だけです。
作者：へえ。共同浴場があるんだ。今度行ってみようかな。
助手：・・・。先輩、廃墟の話をしてくださいよ。
作者：すまんすまん（苦笑）、えっと、小松市八幡にある細○旅館という廃旅館があって、そこに幽霊が出るという噂だ。
助手：それなら僕も知ってますよ。小松市民のあいだでは有名みたいです。
作者：こういう噂には、お決まりの設定があって、自殺者が出た、殺人事件があったなど、廃業に至った原因も噂に含まれる。
助手：そんな事件があったら、地元マスコミが飛びついてすぐにニュースになるはずなのに、聞いたことないですねぇ（苦笑）。
作者：それで荒廃した旅館に、死者の、あるいは元オーナーの幽霊が出るという展開だ。ソースも確証もない。
助手：心霊スポットには、ありがちなパターンですね（苦笑）。
作者：さらにマズイことに、この物件には火災で焼失、という噂のオマケもついているんだ。
助手：それも知ってます。今は完全に焼失して現存しないとか、焼けたけど、まだ建物の一部が残っていて、幽霊もそこから出るとか･･･。
作者：結局噂だけが一人歩きしていて、○川旅館の存在自体が疑わしいんだよ。だからこの物件は細○旅館とは断定できない。
助手：なるほど。よくわかりました。それじゃ、写真を見ましょうか。
この物件は最初の探索のときは公開するかどうか躊躇しましたが、現在は完全に廃墟化しているため、公開を決めました。
最初の探索はダイゾウさんとの合同探索で、2002年に探索しました。
それからかなりの年月が経過しましたが、掲示板などの情報から再探索を決定、2009年11月に再探索しました。
ダイゾウさんの北陸廃物紀行では過去に公開されていましたが、現在は公開を中止しているようです。
小松市在住の知人などから聞いた噂やネットで見つけた書き込みをまとめると、
１．小松市八幡温泉に「細○旅館」という温泉旅館（？）がかつて存在した。
２．ある事件（従業員の自殺という噂が有力）がおきたことがきっかけで営業不振（不能）となり、廃業となった。
３．後を継ぐ経営者は現れず、建物は放置されてしまう。
４．そのうち、元旅館の建物に幽霊が出ると言われるようになる（旅館の窓から女性の幽霊が見えた、など）。
５．こうした噂から肝試し目的で訪れる人が出始める。探検した人が地下にある大浴場で血で書かれたお経があったと主張。
６．そのうち某新興宗教（天○教？）がこの建物を取得（借り受け？）して使っているらしいという情報が訪問者から届く。
７．元旅館の建物で火災が発生（全焼とも、半焼ともいわれる）した。原因は不明（訪問者による放火？）。
８．廃業の原因がこの火災だという説もある。この説ではこの火災で亡くなった人の幽霊が出るといわれる。
９．火事で全焼という説では、建物はもう存在しないという。半焼という説では、残った建物から今でも幽霊が出るという。
最初の探索では、ダイゾウさんが所在を知っていたので案内してもらいました。この時点では、上記の５．の情報はまだ二人とも知りませんでした。
この事実が、探索中の二人を大いに驚かせることになります･･･。
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| 現地に到着。一見してアパートのような集合住宅に見える建物が一棟。 |
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| 建物の裏側です。上階の窓ガラスが割れています。 これでいよいよここが廃墟である確率が高くなりました。 |
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| 建物の右側面を見て仰天しました。 まるでこの面から建物を部分的に解体したような断面です。 ２階、３階の通路と思われる切り口には錆びた鉄扉があって中は見えません。 これはこの建物に隣接して別の建物があったことは明白です。 ということは、もしかしたら･･･ |
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| 正面玄関？らしき前にあった食器類です。 こうしたアイテムがあるのも、もしかしたら･･･ |
３枚目の写真には、僕もダイゾウさんもビックリです。二人とも同じ仮説を思い浮かべていました。
この廃墟？は他の温泉施設とは隔離された丘の上に建っています。敷地に居るのは、この廃墟に用がある人だけです（つまり私たち）。
一人では探索を躊躇していたでしょうが、ここは二人で行動している利点を生かして、素早く、静かに潜入です。
そこで二人が見た光景とは･･･
作者：掲示板にこの物件の最近の写真が貼られてね。ちょっと行ってみたくなった。
助手：なるほど。今度は先輩一人ですね？
作者：そうだ。前回はダイゾウさんに案内してもらったけど、今度は自分で探すしかない。これは勘だ。
助手：勘って･･･（呆れ顔）
作者：結果的に見つかったから。しかし建物までの通路の草がすごかったな。前回はこれほどじゃなかったのに。
助手：人が来なくなった証明ですね。
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| 再訪してまず見えたのは例の建物。 窓ガラスがほとんど割られており、数年の間で荒らされたのは間違いありません。 |
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| 建物の断面が見える壁も健在でした。 建物自体は手を加えていないようです。 |
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| 窓ガラスは全滅です。おそらく、訪問者が割ったのでしょう。 |
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| 部屋の中が心配になってきました。 |
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| １階の正面玄関付近です。１階の窓もほぼ割られていました。 |
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| この窓は中から割られたみたいです。破片が外に散乱していました。 |
７年の時を経て、確実に廃墟化が進んでいます。というか、荒らされています。
内部にも変化があったでしょうか？
写真が多くなったので、ページを変えます。