1-9 大川寺遊園跡地

助手:突然だけど、一緒に富山へ行きます?僕の私用ですけど・・・
作者:どうせまた汽車の写真撮影だろ?遠慮しとくわ。
助手:ふふふ、いい話があるんだけどな・・・廃墟の・・・
作者:おっ!ぜひ聞かせろ〜!どんな物件だ?
助手:富山県に大川寺遊園っていう遊園地があるの知ってます?
作者:うん、知ってる。ガキの頃行ったことがある(らしいという、親の話)
助手:その遊園地が閉鎖になったらしいっすよ。
作者:???そんな話は聞いてないぞ。いつごろなくなったのかな?
助手:そこらへんはよくわかりませんけど。
作者:ところで、なんでそんなところへ行こうとしているんだ?そこが目的とは思えないねえ。
助手:ぎくっ!じ、実はその大川寺遊園まで電車が走っているんです。閉鎖前まで「大川寺遊園駅」があったらしんですけど、閉鎖されて遊園地目的の客がこなくなってから「大川寺駅」に改称されたそうなんですよ。その駅舎の写真が撮りたいなあ、と思って。
作者:その電車なら知ってるぞ。たしか立山まで走っているローカル線だったと思うけど?
助手:僕が案内するから、よかったら、一緒に・・・
作者:それじゃ、また案内してもらおうかな・・・

Katsu君の案内で、ローカル線の電車に揺られて「大川寺駅」まで。そこからは2人ともまったく地理知らず。なんとかなるだろ、というわけで。

Katsu君お目当ての「大川寺駅」。遊園地が繁盛して
いた頃は、ここも大勢の人で賑わっていたのだろうか。
現在は無人駅になり寂しいたたずまいでした。
左側の覆いは丘からの落石やなだれから線路を守る
ためのもの。さらに左は川が迫っている!春だというのに
日陰には残雪がまだありました。雪国、富山・・・

助手:ここですね。
作者:ん?遊園地なんか、どこにもないぞ。
助手:目の前の丘の上にあったんです。でも〜、見当たりませんね。

丘のふもとに駅がある。この丘に堂々と
遊園地があったはずですが・・・?

作者:とにかく、丘の上までいこうか。
助手:僕的にはもう用は済んだんですけど・・・
作者:ここからは僕が主役だ!丘に登るぞ!
助手:・・・。しょうがないっすね〜。
(右側に丘へ向かう道路があったのでとりあえず前へ進んでみました)
作者:ひいひい・・・
助手:ふうふう・・・
作者:け、けっこう坂がきついな・・・
助手:なかなかそれらしきものが見えてこないっすね〜。
作者:お、あそこに何かあるぞ。

ナイスな張り紙!平成8年11月4日に
閉鎖と判明しました。4年前でした。

助手:どうやらここが入場門らしいっすね。
作者:しかし貧弱な出入り口だな〜。東京ディ○ニーラ○ドとは比較にならないね。
助手:田舎の遊園地じゃ、こんなもんでしょう。
作者:いよいよ、中へ入るぞ!わくわくするな!
助手:あっ!ダメですよ〜。
作者:ダメ?どうしたんだ?
助手:あれを見てください(と、前方を指差す)。

作者:なんと!立ち入り禁止とは・・・無念だ・・・
助手:さ、帰りましょうよ。
作者:待て、ここはダメでも、裏道があるかもしれないぞ。あそこにお寺がある。広い駐車場があったから、遊園地側に抜ける道がありそうだ。行こう!
助手:まったく、あきらめが悪いっすね。
(お寺側から抜け道を探していたら、犬の散歩をしている地元の人が遊園地側から来たので、そこをさかのぼってみた)
作者:ほら、すんなり行けたじゃないか!
助手:なるほど。(ちょっと感心するKatsu君)
作者:さあ、どんな風に朽ち果てているか、楽しみだな。

な、ない!きれいさっぱり何もない!地面の舗装すら
剥がされていて、ただの空き地と化していました。
めぼしいものは何もないが、はるかむこうに東屋らしき
物が見える。数少ない遺構の一つでした。
池がありました。後に聞いた話では、遊園地が健在
だった頃は、ここに釣り堀があったそうです。
やっと遊具らしきものを発見。でも、道が
無くて近づくことは困難。全く意味不明。

作者:・・・絶句・・・。
助手:見事なくらい、何もなくなっていますね。
作者:観覧車や、ジェットコースターや、コーヒーカップはどうなったんだあ!
助手:撤去されたんでしょうね。
作者:くそ!期待していたのに・・・
(あきらめきれない作者はあちこち遺構を探し回りました)
作者:あっ!
助手:あっ!
作者:あそこに、建物がある!

つづく


おことわり
作者は、たしかにわき道を発見して中に入れましたが、どうやらここも通行禁止だったようで、事実上敷地内は立ち入ることはできないそうです。しかしながら、今回の取材でも敷地内で何人かの地元の人に出会いましたし、(犬の散歩のコースにしているようです)カメラを持った同業者(?)らしい人も見かけました。でも本当はダメですので、ここに訪れようと考えている方、くれぐれも注意してください。