廃屋探検のノウハウ
準備、装備を万全にして廃屋見物を楽しもう!

旅先で、ドライブの途中で、人気のない廃屋を発見したら、なんかぞくぞくするような好奇心を感じませんか?
中を覗いてみると、さらにドキドキできそうなスリルを感じることでしょう。
最初から廃屋を探検する気ならば、それなりの準備と覚悟が必要です。
ここでは、そんな廃屋探検に関わる危機管理や探索のコツについてまとめてみました。

(注.以下の解説には作者の主観や独自の解釈が含まれていることがあります。法律に関する内容は忠実に表現していますが、それ以外の内容については必ずしも正確な解釈であるとは 限りません。解説 を鵜呑みにするのではなく、あくまでも参考とし、廃墟探索はあくまで 「自己責任」ということを念頭においてお読みください。
この解説に従って行った行為でも危害が及ぶ場合も十分考えられます。当サイトでは廃墟探索の結果受けた危害、損害について一切の責任を負いかねます。くれぐれもご注意ください)


1.廃墟探索は(ほとんどの場合において)違法である!

★廃墟(だと思われる)建物に潜入したら…
あなたが今潜入しようとしている建物が、廃墟ではなく、住居として使 われているものだった場合、潜入しただけ で「住居侵入罪」という罪に問われます。

【住居侵入罪・不退去罪(刑法130条) 】
正当な理由がないのに人の住居・人の看守する邸宅・建造物・船舶に侵 入することで成立します。また退去するよ う求められたにもかかわらず正当な理由がないままこれらの場所から退去しなかった場合 にも成立します。3年以下の懲役、10万円以下の罰金。未遂の場合も処罰されます。

さて、上記の法律を犯したか、あるいは回避した場合でも、あなたの建物内での行為が違法となる場合があります 。

★建物を損壊した!
建物を損壊した場合は廃墟 か否かを問わず次の罪に問われます。

【建造物損壊罪(260条)】
他人の建造物や船舶を破壊した場合に成立します。5年以下の懲役。

★建物ではないが備品や物品を損壊した!
備品や物品を損壊した場合はそれが廃墟内か否かを問わず次の罪に問われます。

【器物損壊罪(261条)】
他人の物を使い物にならなくした場合に成立します。使い物にならなくすることが別の犯罪になる場合には成立し ません。(条文では公用文書毀棄、私用文書毀棄、建造物損壊を明記していますが、成立 しないのはこの3つには限りません。) 使い物にならないようにする方法は問いません。物理的に壊すのはもち ろんですが、食器に小便をかけること、学校のグランドに杭を打ち込み、体育の授業をできなくしたこと、飼っていた池の鯉を川に放流してしまうことも器物損壊罪成立です。3年以下の懲役、30万円以下の罰金、科料。


★廃墟内の物品を持ち帰った!

探索した物件内で金品を持ち帰った場合、そこが廃墟であるか否かは関係なく、以下のどれかの罪に問われることになります。そのようにして取得した金品であると知りながらそれを無償 または有償で譲り受けた場合も該当する罪があります。

【遺失物等横領罪(254条)】
他人の占有を離れた他人の物を自分の物であるかのようにふるまった場 合に成立します。典型的な例としては「自分で使う」「他人に貸す、渡す、売る」などでしょう。 刑法各論的には、「他人の占有を侵害する行為がない」「他人に対して なんらかの行為をした訳ではない」という 点において、他人の財産を他人の犠牲の下で自分の財産にする類の犯罪の中ではもっとも 基本的な犯罪という位置づけがなされます。迷った時には遺失物等横領 罪を基本に違いを考えるといいでしょう。 1年以下の懲役、10万円以下の罰金。 なお配偶者、直系血族、同居している(その他の)親族の間での犯罪であれば刑を免除し、同居していない(その 他の)親族(配偶者や直系血族はのぞかれる訳です)の間での犯罪であれば、被害者の告 訴がなければ裁判ができないという「親族相盗例」というルールがあり ます。

【窃盗罪(235条)】
他人の(占有する)財物を盗んだ時に成立します。 (占有する)とカッコ書きにした点ですが、昔から窃盗罪の性質として 「所有権侵害を処罰するのか占有権侵害を 処罰するのか」という議論があったところ、一応占有権侵害を処罰する ものと考えていい でしょう。したがって、たとえ自分の所有物であっても他人の占有が認 められる場合(例:自分の名前入りの本を盗まれた後で、町の古本屋で発見したというので勝手に持ってきてしまう)も窃盗罪は成 立します。 また一時的な使用をした後で返すつもりであった場合についても議論と なっていますが、判例では自動車を乗り回すための4時間の使用で窃盗罪を成立させていますので、仮に一時使用 は窃盗罪にならな いとしても(そういう判例は確かにあるんですが)その範囲はきわめて 限定的でしょう。 遺失物等横領罪との違いは、他人の占有を排除している点であり、その 他の横領罪との違いは、自分の占有に移す ことを相手の知らない内に行っている点です。相手が占有を移転する行 為をしていない点 で詐欺や恐喝と異なります。10年以下の懲役。未遂処罰あり。親族相盗例あり。

【盗品等譲受罪(256条1項)】
財産に対する罪(おおむね「他人の犠牲の上に自己もしくは誰かの財産 的利益を得る罪」と考えていいでしょう。 )によって得た財物をそうと知りながら無償で譲り受けた場合に成立し ます。3年以下の 懲役。 配偶者・直系血族及びその配偶者・(その他の)同居の親族及びその配 偶者との間では刑が免除されます。親族相 盗例と微妙に違うのは「直系血族・その他の同居の親族」の他それらの 配偶者も含まれて いること、これらの親族には含まれない親族についての親告罪規定が存 在しないことです。

【盗品等運搬・保管・有償譲受罪(256条2項)】
財産に対する罪(おおむね「他人の犠牲の上に自己もしくは誰かの財産 的利益を得る罪」と考えていいでしょう。 )によって得た財物をそうと知りながら運んだり、保管したり、有償で 譲り受けた場合に 成立します。3年以下の懲役。親族相盗例の扱いについては盗品等譲受 罪の場合と同じ。

最近また考えるようになったのは、ホテル、旅館、レストランなど不特定多数の利用者が想定されるサービス業の建物で、営業・PRのために現役時代に無償で配布していたパンフレット 、しおり、マッチ、ポケットティシュなどの類です。これまではもともと無償だったものだからと、潜入した記念、あるいは資料として活用するために持ち帰っていましたが、当初の(配布していた)オーナーから債権業者などに所有、管理が委譲された場合、当初の無償でという概念が通用しなくなる(それらの物品も全て含めて所有、管理が委譲されたと見なされるから)ので、違法となるのではないかという主張もあり、判断が迷っています。もっとも新しい所有者が「ゴミ」と認識しているものだったら違法とはならないので難しい問題です。

ここまでは直接廃墟などに損害は加えない侵入だけや窃盗、または破壊行為を罰する法律でしたが、次はこれらの 行為を超える重大な犯罪行為について解説します。

★廃墟ではない建物に火を放った!(浸水させた!)
現在居住している建物に放火(浸水)した廃墟ではない建物に放火(浸水)した場合 、次の罪に問われ ます。

【現住建造物等放火罪(108条)】
現に人がいるか(人がいないことを確認していても)人が住居に使用し ている建造物、汽車、電車、艦船、鉱坑に 放火してある程度焼いた場合に成立します。ある程度の範囲が争われて きましたが、放火 罪は基本的に個々の建物が破壊されることに着目したのではなく「燃え 広がるととても危険」であることに着目し た犯罪であることから、「消さないと燃え広がるよ」という段階に達すれば犯罪成立とし ておよいでしょう(独立燃焼説)。死刑、無期懲役、5年以上の懲役。 未遂の場合でも処罰されます。

【現住建造物等浸害罪(119条)】
出水による場合なんでさんずいの「浸」を使います。放火ではなく水を 使って現に人がいるか(人がいないことを 確認していても)人が住居に使用している建造物、汽車、電車、鉱坑を 水没させた場合に 成立します。現住建造物放火罪には含まれている船舶が、出水による本 罪には含まれていません。これは端的に1 26条や127条の問題だからでしょう。死刑、無期懲役、3年以上の 懲役。

★廃墟の建物に火を放った!(浸水させた!)
廃墟で放火や浸害に及んだ場合は次の罪に問われます。

【非現住建造物等放火罪(109条)】
現に人がいないし人が住居に使用している訳でもない建造物、艦船、鉱 坑に放火してある程度焼いた場合に成立し ます。現住建造物放火罪と違うのは、汽車と電車が対象から除かれてい ることです。 これは目的物の所有関係で刑罰が変わってきます。 まず自分の物でかつ公共の危険を発生しなかった場合、具体的には他に 燃え広がる可能性がまず考えられないよう な状況で自分の物を燃やした場合には犯罪不成立です。(2項ただし書 ) 自分の物で公共の危険が発生した場合は、6か月以上7年以下の懲役。 (2項本文) 自分の物でなければ2年以上の懲役。(1項) 1項すなわち自分の物でない場合に未遂処罰あり。

【非現住建造物等浸害罪(120条)】
放火ではなく水を使って現住建造物等浸害罪に定める物以外の物を水没 させ公共の危険を発生させた場合に成立します。放火では非現住建造物放火罪と建造物以外の物の放火罪が区別されていませんが、出水による場合には区別されません。1年以上10年以下の懲役。

上記のように住居ではない建物の放火の場合は自己の所有物か否かで内容が変わります。廃墟探索に関係する犯罪行為ならほとんどの場合自己の所有物ではないので1項が適用され、最も重い罪になります。浸害の場合は建物かそうでないかに問わず、結果として公共の危険を発生させた場合に成立します。水浸しにした結果建物に倒壊の危険が生じた場合などに該当されると思います。 いずれにしても廃墟だからといって放火したり水浸しにすることは許されません。

★建物ではないが物に火を放った!
物品に放火して公共に危険を生じさせた場合は以下の罪に問われます。

【建造物等以外放火罪(110条)】
物に放火して公共の危険を発生させた場合に成立します。しかし108 条や109条が成立すればこの罪にはならないのが道理で、条文上も108条や109条の問題となる「建造物、 艦船、鉱坑、現に人がいる汽車、電車」は明確に除かれています。また公共の危険が発生しない場合もこの罪は不成立です。 この罪も目的物の所有関係で刑罰が変わってきます。 自分の物であれば、1年以下の懲役、10万円以下の罰金(2項) 自分の物でなければ、1年以上10年以下の懲役。(1項)

「公共に危険を生じさせる」という具体的な解釈は難しいですが、物に放火した結果炎を上げて激しく燃え盛れば 、通行人などに危害が及ぶことは明白なので、処罰の対象になります。 たとえ建物が焼けなくても罪になるので、軽はずみな行為は慎みましょう。 もしあなたが、はじめから建物等に放火する目的で、マッチ、ライター 、その他危険物を用意して放火のための準備を整えた場合、それだけで以下の罪に問われます。

【現住建造物等放火予備罪・非現住建造物等放火予備罪(113条)】
現住建造物等放火や他人の所有である非現住建造物等放火の未遂にいたる前でも準備をしただけで成立します。 2年以下の懲役。情状により刑の免除可。 建物や物品に火を放ち焼損させるという行為は、故意にだけではなく過失によっても発生することが想定できるため、これらの行為を罰する法律があります。

【延焼罪(111条)】
108条から110条までの放火罪は、物を重要度によって分類し、さ らに所有権者や公共の危険の有無で分類し て刑罰を定めていますが、放火した側が意図しなかった物にまで燃え広 がってしまった場 合を110条で処理しています。一種結果的加重犯的な性格をもつと言 っていいでしょう。111条1項は、自己 所有の非現住建造物等に放火するか建造物等以外の物に放火して公共の 危険を発生させ、 その結果自己所有でない非現住建造物等や建造物等以外の物に燃え広が った場合に成立します。3か月以上10年 以下の懲役。 111条2項は自己所有の建造物等以外の物に放火して公共の危険を発 生させ、その結果自己所有でない建造物等 以外の物に燃え広がった場合に成立します。3年以下の懲役。

この罪は自分が所有する物件に放火した結果自分の所有物ではないものに延焼してしまった場合に成立するものなので、廃墟探索ではほとんど関係することはないでしょう。

★建物内でうっかり、火災に発展した!
探索者による過失で火災を発生させた場合は廃墟か否かを問わず次の罪に問われます。

【失火罪(116条)】
積極的に火をつける故意犯が放火罪であるのに対し、いわば過失にあた るのが失火罪です。1項が現住建造物等及び他人所有の非現住建造物等を燃やした場合、2項が自己所有の非現住建造物等や建造物 等にあたらないものを燃やして公共の危険を発生した場合と分けられていますが、刑は結局等しくなっています。 構成要件を分けたのはひとえに便宜の問題でして、現住建造物等放火罪の108条や非現住建造物等放火罪の109条1項には公共の危険の発生が構成要件に書かれていないのに対し109条2項や110条では公共の危険の発生が構成要件に明記されていることに対応して いるだけのことです。108条や109条1項に明記されていないのは、公共の危険の有無にかかわらずということなのですが、108条や109条1項の場合でかつ公共の危険がない場合ってどんな場合だろうか…ってことも背景にあるのかもしれません。50万円以下の罰金。

★うっかりでは済まない行為で火災を起こしたら…
故意とはいえないが重大な過失で火災を起こした場合、失火に比べて重い罪が課せられます。

【業務上失火罪・重失火罪(117条の2)】
業務上必要な注意をはらわなかった結果もしくは重大な過失の結果とし て失火罪を犯した場合に成立します。3年以下の禁錮、150万円以下の罰金。

失火、重失火であっても民事による損害賠償は避けられません。建物全体に及ぶ場合はその損害額も大きなものと なります。実際に石川県で廃業したカラオケ店にホームレスが住み着き 、寝タバコで出火、重失火で送検された例があります。火を放つつもりはなくても、廃墟内での火気使用はやめましょう。喫煙は探索を終えてから、安全な場所で吸うように心がけましょう!

ここまで物的な危害、損害を与えた場合の罰則でしたが、次は人的な被害を与えた場合の罰則です。
廃墟探索は本来「人のいない場所」を探検する行為ですが、それでも未知なる(?)人の 遭遇が往々にして 起こり得ます。あなたが廃墟内で出会った人に危害を加えた場合、当然処罰されます。例をあげると限がありませんが、物件の管理人や警備員、警察官と対峙したとき、逃れたいがために居直って危害を加えた、住み着いてるホームレスと鉢合わせになり、襲ってきたホームレスと揉み合いになって逆に相手を傷つけてしまった、同じ廃墟に侵入していた地元ヤンキーと喧嘩をして病院送りにした…etc あなたの故意、過失を問わず何らかの罰則が適用されるでしょう。その最たるものが「殺人」ですが、ここでは触れません(廃墟で殺人行為に及ぶというのは、もはや廃墟探索とは別の次元の問題です)。
その他にも、直接の暴力ではなくても、夜の廃墟で大騒ぎをして付近住民に迷惑をかけたなどについては、下記の罪には該当しなくてもその地域の自治体の条例などによって禁じられている行為だった場合、処罰の対象にもなりえます。これらの法律にも触れませんが、廃墟内であっても迷惑行為は罰せられるということを忘れないで下さい。

★探索中に出会った人に対し暴力行為に及んでしまった…

【傷害罪(204条)】
人を傷つけた時に成立する犯罪なのですが、大きく分けて2種類あります。 1つは暴行罪の結果傷つけたという、暴行罪の結果的加重犯としての傷害罪です。この場合には暴行についての故意があれば十分で、傷つくことについての認識は一切不要です。 もう1つは行為の形態としては暴行罪にはならないけれども、人を傷つける意図のもとに実際に傷をつけた場合で 、この場合には傷つけるところまでが故意として要求されますので、傷つけるつもりがなければ故意がないので傷害罪不成立となります。15年以下の懲役、50万円以下の罰金。なお死なせた場合には 傷害致死罪成立。

【暴行罪(208条)】
人に対し暴力をふるうと成立します。 条文が「暴行を加えたのに傷害までいたらなかった」という書き方になっているのが、刑法学では悩みの種になっていますが、ここでは深く考える必要がないでしょう。単純に「暴力をふるえば暴行罪、 傷つければ傷害罪」で考えて当面そう困ることはありません。2年以下の懲役、拘留、30万円以下の罰金、科料。

【現場助勢罪(206条)】
傷害罪・傷害致死罪が行われている現場ではやしたてていたような人は 、たとえ本人が暴行傷害を行っていなくても本罪によって処罰されます。1年以下の懲役、10万円以下の罰金。

【過失傷害罪(209条)】
過失によって傷つけた場合に成立します。30万円以下の罰金、科料。ちなみに死なせた場合は過失傷害致死罪ではなく端的に過失致死罪です 。

【業務上過失傷害罪(211条前段)・重過失傷害罪(211条後段) 】
過失傷害罪のうち、業務上要求される注意をはらわなかった場合に成立 するのが業務上過失傷害罪、過失が特に重 大な場合に成立するのが重過失傷害罪です。ここで言う業務は必ずしも 仕事とか営利目的 ということを意味しません。反復継続性があって、他人に危害を与える 類のものであれば足ります。したがって自 動車の運転は免許の有無にかかわらず反復継続性があるし、他人に危害 を与える類のもの ですからここでいう業務にあたるので、自動車運転中の交通事故で人を 傷つけますと業務上過失傷害罪が成立しま す。一方自転車による交通事故で相手を傷つけた場合については業務上 過失傷害罪は成立 しません。自転車程度では「他人に危害を与える」とは評価されていな いのです。5年以下の懲役、5年以下の禁 錮、50万円以下の罰金。

【建造物損壊致傷罪(260条)】
建造物や船舶を破壊しもって傷つけた場合に成立する結果的加重犯です 。10年以下の懲役。

廃墟探索のみならず、はじめから悪意のもとに廃墟で破壊行為、あるい は暴力行為を企む、あるいは実行した場合の罪については、ここでは解説する必要がないと思いましたが、残念ながら廃墟での凶悪犯罪が後を絶ちませんので一応記しておきます。このサイトを見てくれている人で、これらの罪に関係することがないと切に願います。

★廃墟探索に直接関係無いドキュン行為って?

【騒乱罪(106条)】
たくさんの人を集めて暴行や脅迫をした場合に成立します。 刑罰は役割によって異なります。 首謀者は1年以上10年以下の懲役、1年以上10年以下の禁錮。 他人を指揮したり率先して騒乱状態に拍車をかけた者は6か月以上7年 以下の懲役。 単に参加した者は10万円以下の罰金。

【多衆不解散罪(107条)】
暴行や脅迫をするためたくさんの人を集めたときに、権限ある公務員(警察官など)から解散するよう3回命じられたにもかかわ らず解散しなかった場合に成立します。 首謀者は3年以下の懲役、3年以下の禁錮。 その他の者は10万円以下の罰金。

【凶器準備結集罪(208条の3第2項)】
他人の生命・身体・財産に対し共同で危害を加える目的で2人以上集まった場合に、凶器を準備して人を集合させるか凶器を準備していることを知った上で人を集めた場合に成立します 。3年以下の懲役。

【凶器準備集合罪(208条の3第1項)】
他人の生命・身体・財産に対し共同で危害を加える目的で2人以上集まった場合に、凶器を自ら準備するか凶器を準備していることを知った上で参加した場合に成立します。2年以下の懲役、30万円以 下の罰金。


最後に、人的危害を加えるというわけではありませんが、他人の業務を 妨害する行為、つまり警察官の職務質問などの公務を妨害した場合も処罰の対象になります。あなたが廃墟に潜入した結果通報されて警察官が来た場合、警察官はあなたに対して職務質問をしなければなりません。あるいはあなたの違法行為のため通報されたのならば現行犯で逮捕しなければなりません。これらの公務を妨害した場合には次の罪に問われます。

【公務執行妨害罪(95条1項)・職務強要罪(95条2項)】
公務員の職務執行に対し暴行・脅迫を加えた場合に成立します(1項) 。また公務員にある処分をさせるためもし くはさせないために暴行・脅迫を加えた場合にも成立します(2項)。 3年以下の懲役、 3年以下の禁錮。

以上、廃墟探索を実行した場合に犯してしまう(犯すかもしれない)犯罪について解説しましたが、廃墟探索には 直接関係が無くとも、間接的に該当するものはまだあります(銃刀法違反など)。これら の犯罪を犯すリスクを背負って探索を実行しなければいけない、ということを肝に銘じて、それでも実行したいという人は、次ページに進んでください。

諦めたあなたはある意味賢明でしょう。こちらからお帰りください。

犯罪についていろいろ書きましたが、モラルの問題も無視できません。 廃墟探索は一人ですか?それとも気の合った仲間同士でしょうか?複数で探索に出かけた場合、大勢で探検している気安さ、外界から隔離された廃墟というわけでつい大騒ぎをしてしまいがちです。でも 付近住民の立場で考えてみたらいかがでしょうか?普段人気がない廃屋で物音や人の話し声がする・・・とても不安 になるでしょう。当然警察に通報するでしょうし、そうなってしまったら困るのは自分達です。廃屋は自分達の自由な遊び場ではありません。あくまでも自分達は「招かれざる客」という認識を充分にもって探索に望んでください。付近住民の迷惑にならないように配慮するのは当然のことです 。

次は、廃墟探索を決行するための準備事項について解説します。→