1-7 立山温泉とは

富山県の最高峰、立山は立山黒部アルペンルートに代表される、有名な観光地です。
しかし、その裏には、「立山カルデラ」と呼ばれる地域があり、こちらは観光とはまったく無縁な、砂防工事が地道に行われています。立山へ観光へきた人も、立山カルデラの存在を知らないまま帰ってしまうそうです。
 この立山カルデラに、「立山温泉」と呼ばれる温泉がありました。交通の便が悪い立地だったにもかかわらず、多くの湯治客でにぎわったそうです。
 安政5年(1858年)、この温泉に地震が襲いました。鳶崩れという大規模土砂崩れが発生し、あっというまに温泉地は土砂に埋まり壊滅しました。このとき入浴に来ていた30余人が犠牲になっています。
 その後明治になって温泉は再興され、昭和の始め頃全盛期を迎えます。湯治客の他、登山客、砂防工事の工夫も加わり、立山温泉は大いににぎわいました。多い時には1日1000人以上の温泉客が宿泊したそうです。
 しかし、昭和44年(1969年)に再び災害が発生しました。懸命の砂防工事にもかかわらず、常願寺川の氾濫による水害で交通が途絶されます。そして立山温泉は復旧されることのないまま閉鎖され、現在に至っています。当時の温泉小屋などはすでに消えており、荒れ放題の浴槽のみが往時の面影を残しています。

立山温泉の案内看板はこちら(00/9/17公開) とにかく立山温泉に行きたい方はこちら

1枚しかない貴重な写真です。ご覧下さい。

特別に大画面での公開です!JPEGファイルで約200kBありますのでかなり表示が遅いと思いますがご了承ください。

浴場跡に残された浴槽。一応タイル張りの本格的な浴槽で、銭湯にあるような普通の四角いものでした。建物はまったくなく、野ざらしのため荒れ放題。
浴槽のそばには管理人が使っていたらしい金庫が残されていましたが、周囲が暗くて露光不足。残念ながら写真に残すことができませんでした。

現在一般の人が立山温泉跡地へ行くことはできません。砂防工事用の道路が整備されておりますが、周辺は落石や土砂崩れの危険があり、砂防工事関係者しか通行することができません。徒歩で訪れることもほとんど不可能でしょう。

どうしても立山温泉跡地を見たい人は、
ここから訪問方法を参照してください。

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