２００４年春、北陸廃物紀行のダイゾウ氏と合同で探索した物件です。
作者：ここは、前回の廃屋とは違った背景があるみたいだな。
助手：おっ？もしかしたらオカルト？
作者：ちがうちがう。ここは道路の再区画で消え行く運命にあった民家だったのだ。
助手：あらら、こんな田舎でも家を避けられない道路計画ですか？
作者：この家は集落から離れていて立地も悪く、この家専用の細い道路があったくらいだ。
助手：それで？
作者：あとからこの周辺に道路を通すことにしたみたいだけど、見事にこの家が行く手を阻んでいた。工事もこの家の前で中断。
助手：謎な計画ですねぇ。ここに新たに道路を通す意義もあまりない気がするし…。
作者：結局この家の住民は移住したみたいで空き家状態。おそらく取り壊しは間近だろうから、急いでダイゾウさんを誘った。
助手：今は家も取り壊されて道路が通っていますね。
作者：俺だけで下見をした写真も交えて紹介します。内部は想像以上でした！
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| 倶利伽羅峠付近の廃墟ツアー第二弾はこの廃屋。 一見現役の古民家に見えますが、ボロボロに千切れたカーテンが廃屋っぽさを醸し出しています。 手前の切り立った土壌は道路工事がここまで進んでいる痕跡。 完全にこの家が道路の延伸を邪魔しています。立ち退きは必至です。 |
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| 右側に移動すると、二階の窓枠が消え失せていました。 さらに廃屋である可能性が高まりました。 |
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| どうやらこちらが母屋で、正面に見えた棟は増築した部分のようです。 なんだか様子がおかしいです。さらに近づいてみましょう。 |
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| うひゃあ…、完全に廃屋と化していました。 ガラス戸は外れて、内部が丸見えです。 小松市内で見た２件の廃屋より強烈な光景かもしれません。 |
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| 母屋の玄関と思われる場所。表札が見えますが読めません。 内部は土間になっているみたいです。 |
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| こちらは増築したらしい棟の勝手口。 洗濯物がそのままになっているところが生々しい。 |
作者：どうよ？すごいだろ。
助手：この家知ってますよ。電車に乗って南側の車窓を眺めていたら、トンネルに入る直前で見える民家ですね。
作者：俺も知ってる。まさかあの民家がこんな状態になっているとは夢にも思わなかった。
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| 内部が丸見えだった軒下に入ってみました。 最初は軒下だと思っていたのですがなんだか妙な違和感を感じます。 |
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| 軒下にカーテンを吊るすっていうのは不自然ですね。 どうやら軒下だと思っていた場所は屋内の縁側だったようです。 外部の壁もしくは窓がすっかり消失して、軒下に見えたのです。 |
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| その軒下から内部を覗いてみました。 田舎の民家らしい広い和室が見えました。床の損傷が激しく、畳は歪んでいます。 家財道具が散乱していて、侵入者があった痕跡がありました。 |
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| かなりのモノが残っています。とても生々しいです。 |
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| 布団の柄がやけに派手に映ります。 |
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| 床の間がある部屋。カビだらけの座卓が転がっていました。 |
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| グチャグチャです。 |
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| がらんとして比較的整っている部屋。 |
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| 天井が大きく損傷した部屋がありました。 |
助手：生々しい！普通の立ち退きとは思えませんよ。
作者：うーん、家財道具を持ち出すにしても付近の道路が貧弱だから引越し作業が出来なかったのかな？
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| ここは台所ですね。散らかっています。 食器や台所用品など、かなりのモノが残っています。 元の住人はどんな気持ちでこの家を去ったのでしょうか？ |
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| 未開栓の烏龍茶が奥に鎮座しています。 |
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| 微妙に古いパッケージの商品。 |
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| 懐かしい瓶入りの三ツ矢サイダー。 |
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| 食器棚には今も整然と食器が収められていました。 |
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| 別の流し台。洗い場がたくさんありました。 |
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| 洗濯桶のようなもの。 |
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| 南側の増築部分に移動。窓から見えたボロボロのカーテンが見えます。 奥に見えるドアを開けると階段がある空間に出れました。 |
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| 早速進もうとしますが、部屋に散乱するタンスやビニールロッカーなど、 大型の家具が行く手を阻みます。掻き分けながら進みます。 |
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| モノが散らかっていて判りにくいですが、 この部屋も床が傷んでいて踏み抜きそうです。 丈夫そうな板や角材を足場に慎重に進みます。 |
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| カーテンが邪魔ですが、窓から見える道路に注目。 上の写真は下見のときのもの。下の写真は合同探索の時のもの。 一気に家の前まで道路の舗装工事が進んでいました。 |
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| 慎重に２階へ移動しました。ここも床がブカブカで踏み抜きそうです。 窓から見えたボロボロのカーテンがここにもありました。 |
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| 一見普通の和室に見えますが、床の状態はかなり悪いです。 引き戸の桟を足場にして、カメラだけ部屋に向けて撮りました。 |
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| ほとんど荒れた様子はありません。 |
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| 別の部屋に移動。足踏みミシンらしい台が見えます。 |
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| 母屋の二階は天井裏が丸見えです。 かなり太い柱が通っているので、簡単に倒壊はしないでしょう。 |
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| 母屋側の二階の部屋。ここも床がヤバイです。 物置になっていました。 |
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| 年代モノの木箱がありました。 |
作者：ふう。想像以上の内容だった。先の廃屋の２倍のボリュームになっちゃったよ。
助手：かなりの家財道具を残して家を去ったのですね。
作者：まあこの家に住んでいた人が去ってくれたから道路が通せたわけだし、道路を活用しないとバチが当たりそう。
助手：日本の公共事業なんてこんなことばかりなんでしょうね。
作者：もっと大規模なものではダムの建設で村が丸ごと沈んでしまうこともある。先住民には感謝しないとな。
おわり