1-16 河口湖へ廃屋探索の旅

ついに廃屋探索だけを目的とした旅行を決行しました。7月下旬、やっと取れた休暇、助手のいない単独旅行。
ターゲットはあの有名な?河口湖の廃ホテル、「小曲園」。ずっとあこがれていた作者イチオシの廃墟物件でした。
今回はこの旅行の模様を旅日記風に綴ってみました。
いきなり本題に入る 最新情報から見る(2001.4.22更新)

 すでにいくつかの廃墟サイトで公開されている極上の廃屋物件がある。その名は「小曲園」。(名前はすでに他のサイトで公開済みなのでここでは実名で説明してゆきます)河口湖畔に建つかなり大きな日本式ホテルでトンネルの上にあるロケーション抜群の場所だとか。そんなホテルがなぜ潰れたかは定かではないがこのホテル、潰れた当時のままで放置され、廃墟ファンにはたまらない感じになっているらしい。いくつかのホームページで小曲園の写真を見ながらいつかは自分自身がこのホテルの探索をしてやるぞ!と心の中で誓っていました。その想いは軍艦島にも劣らないものでした(大げさだよ)。
 しかしいくつかのホームページを見ているうちに不安になってきた。小曲園は近いうちに取り壊されるとか、すでに取り壊された、という情報も見受けられてやっぱりダメかな、と早くから弱気になっていた。でも諦めきれなかった。一度でいいから本格的な廃墟を単独で探索して実績をあげたいという希望もあった。なんとか今世紀中に訪問してみたい、と旅に出るチャンスを窺っていました。
 7月24日月曜日、平日に取れた休暇、またとないチャンス!たった1日、このわずかな時間に賭けてみることにしました。そうと決まれば早速旅の準備。鉄道の切符は助手、Katsu君のお得意分野。安くて便利な切符を早速手配してくれました。僕の最大の弱点はマイカーを使わないこと。公共の交通手段だけが頼りなのでどうしても無駄に時間を使ってしまう。スケジュール表によれば今回河口湖に滞在できる時間はわずか3時間。この間に「小曲園」を探し出して探索しなければならない。失敗は許されない。遠方の物件なので次回再訪できるのはずっと先だろう。何とか今回の取材だけで片をつけなければなりませんでした。
 午前9時。JR甲府駅から河口湖行きのバスに乗った。道中、無数のぶどう園、もも園を見かけてびっくりした。果樹園が見えなくなると山道に入った。途中早くも何件かの廃墟物件に遭遇する。探索したい気持ちをぐっとこらえてバスに乗りつづける。今回ここで道草を食うと河口湖での滞在時間が短くなる。これは致命的だ。あくまで目的は小曲園、他の物件は次回訪問の楽しみに取っておこう。
 三ツ峠を抜けるともう河口湖ゾーンに入ったも同然。ここでも何件かの廃墟物件を見つけたがやはり我慢。やがて湖周辺にびっしりと旅館、ホテルが林立した風景が見えてきた。小曲園もそうしたホテル群の一つだったのだろう。まもなく河口湖駅、という時・・・

この名前は・・・もしや・・・いやあ、思っていたよりずっと短いトンネルでした。

「小曲トンネル」!するとその上は・・・あわてて上を見上げると・・・ありました!朽ちた小曲園の建物が・・・
よかった・・・まだ残っていたんだ・・・最大の心配のタネが消え、俄然やる気が沸いてきた。バスはあっという間にトンネルを抜け、僕は次のバス停で降りました。
 早速探索開始!建物の場所は早々に判明したのであとは探索を残すのみ。トンネルの近くまで来るとさすがに緊張してきた。いよいよ小曲園に潜入するのだ。

すでにおなじみ?の入り口看板。下に見える赤い塀が致命傷となった。

何度もホームページで見た看板が出迎えてくれた。ああ、写真で見たままの姿だ・・・と安心した。
 外観の写真はひとまず後回し。やはり小曲園の醍醐味は内部でしょう!(勝手なこと言ってる)いよいよ潜入モードに突入する。もうすっかり馴れた感じで潜入口を探し始めた。・・・看板部分をはじめとする入り口があったと思われる周囲には赤いブリキ板で覆いがしてあり簡単には越えられない。ブリキの塀は少し古ぼけたものだが真新しい部分もある。塀が破られて新たに補修をしたのか?「立ち入り禁止」なる看板はどこにも見当たらない。いつも潜入を拒む有刺鉄線もない。最初は簡単だと思われた潜入だがこの赤い塀がかなりジャマだ。この赤い塀は越えようと思えば越えられないことはないが、さすがにそんな行動は目立つ。トンネルをぐるりと迂回するように小曲園専用?の小道があり、こちらにはほとんど車や人の往来はないが、やはり周囲の目は気になる。唯一トンネル側の隅っこの部分で下40cmくらいの隙間があったが、生憎今回の服装もTシャツにGパン。泥だらけになるし40cmの隙間はちょっと狭い。だんだん焦ってきた。タイムアップよりも内部探索そのものを断念しなければならないピンチに陥ったのだ。小曲園はトンネルの上にどっしりと構えている。反対側は山側 。こちらにはちょっと高台になる位置に現役のホテルが建っている。小曲園と非常に近い。こちら側から潜入できないか、必死で探した。
 無駄な努力だった。一気に力が抜けていった。ああ、建物を目の前にして断念しなければならないとは・・・すでに河口湖到着から1時間近くが過ぎてしまった。これ以上時間を無駄にはできない。小曲園をきっぱりあきらめ、道中で見つけた廃墟らしい物件の探索にすばやく切り替えることにした。ガッカリしている暇などないのだ。僕はフラフラとバスで来た道を歩いて戻り始めた。

どうです?この朽ち果て様は素晴らしい・・・残念でした。

 自信も持って公開しようと思った小曲園でしたが、あえなく挫折。しかし作者は転んでもタダでは起きません。(おそらく)初公開となる物件を探索してきました!次回、このコーナーで公開となりますのでお楽しみに!単独での探索でしたが、今回も助手のKatsu君にいろいろ感想を聞いてみました。編集中のトークも再現して公開しますのでトーク目的の皆さんも失望しないで次回更新を待っていてください。
 総合評価として、不本意に終わってしまったものの、今回探索した物件をはじめ、河口湖(ワイドに言うと富士五湖)ゾーンは廃墟の宝庫ですね。観光客誘致に失敗して、捨てられた建物がうんざりするほど見つかりました。再訪は絶望と最初に書いたものの、この数の魅力はすごい。再訪を実現したいですね。

さようなら、小曲園。写真中央の木に埋もれかけた建物が小曲園です。

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